―― 本局を振り返っていかがだったでしょうか。
里見 昼食休憩のところでは、攻めが軽くて自信がなかったのですが。少しずつ、ずっと悪くて自信がありませんでした。
―― 飛車・金交換した辺りは?
里見 あの辺りは何か手があったと思うのですが。チャンスと思ったのですが活かし切れなかったですね。
―― 6二に馬を引きつけた辺りは?
里見 そこも自信はなかったですね。
―― △7四桂から△5八銀成と終盤に攻めていったところは?
里見 ギリギリなので、よく分からないのですが、あの銀が金と交換になる展開になって、少し盛り返した かなと。
―― どの辺りで勝ちを意識しましたか。
里見 △1五角と打って竜を取ったところで、良くなったかなと。
―― これで3連勝で女流王位に返り咲いたのですが、シリーズを振り返ってどうでしたか。
里見 序中盤、苦しい将棋が多かったので、本当に苦しい将棋が多かったなという印象です。
―― 本局を振り返っていかがでしたか。
甲斐 序中盤、難しいと思っていたのですが、飛車・金交換した辺りは少し指せるかなと。ただ終盤ちょっと 手が見えてなかったので。△7四桂と打たれたところで何かあったかもしれません。
―― 残念ながらシリーズが終わってしまったのですが、シリーズを振り返っていかがでしたか。
甲斐 1局、1局ギリギリの将棋が多かったと思うのですが、勝負どころで間違えてしまったのが……。
(吟)
▲甲斐-△里見戦は126手で里見香奈女流名人の勝ちとなりました。終局時刻は18時44分。消費時間は▲甲斐3時間59分、△里見3時間47分。その結果、対戦成績は里見女流名人の3勝0敗となり、女流王位のタイトルを奪取しました。
(飛龍)
5四で当たっていた馬を甲斐女流王位は▲6三馬とバッサリ切り捨てた局面。△同馬▲4二飛成△4一香▲3二竜が予想される。先手は次に▲6一銀を狙っている。
甲斐女流王位の寄せが決まるのか。里見女流名人が耐えるのか。
■Twitter解説■
竹内雄悟四段>おお! 寄せに行きましたね。良い手だと思います。(先手優勢)
(吟)
▲6一金と甲斐女流王位が金を打った局面。▲6一金までの消費時間は▲甲斐2時間38分、△里見2時間45分。後手の7一の飛車は捕まっている。ツイッター解説の竹内四段の形勢判断も先手やや有利に振れているが、まだ大変なようだ。
■Twitter解説■
竹内雄悟四段>▲6一金でしたね。次に▲7一金△同金▲6一成桂と守りの金を攻められるのでこっちの方が良いかもしれません。先手はどこかで▲6八金寄をいれて攻めに専念したいです。しかしタイミングによっては△5八歩という返し技があります。よく見ると△6一同飛▲同成桂△6九竜▲同玉△8八金という手順があるので先手もなかなか怖い局面です。最後△8八金以下▲7九銀△4九銀不成▲8八銀△5八銀成▲同玉△7八金。寄っていてもおかしくないです。(先手やや有利)