対局再開から駒組みが続いている。先手は▲5八銀(図)で金銀四枚の囲いを作った。後手の銀冠も二枚の金が連結した強い形を持っている。堅さは互角、では攻めの形はどうか? 陣形を比べると、後手のほうが安定していると言えそうだ。序盤の浮き飛車から下段飛車にシフトできたのは、桂を跳ねずに形を決めなかったから。ただし、先手も歩を持てば▲8五歩△同歩▲8四歩△同銀▲7四歩という厳しい攻め筋が生じる。現状は歩の入手が難しいが、それは裏を返せば後手が歩を渡しにくいということにもなる。互いに動き方の難しい中盤になってきた。
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