旧伊藤伝右衛門邸ギャラリー(2)
■玄関
「花崗岩の石貼りの土間、敷居の内側は人造タイル張り、低い上がり段も花崗岩で奢(おご)っています。着物の女性に配慮した低い上がり框(かまち)の組み合わせが、来客を柔らかく迎え入れる雰囲気を作り出しました。正面の額は、書家高田尚周(たかだただちか)の作品です」
■高田忠周書扁額(たかだただちかしょへんがく)
「右から「和協輯睦」(わきょうしゅうぼく)と読みます。左側は、「丙子初夏日篆 伊藤大人雅属 竹山逸子忠周」(ひのえねしょかじつてん いとうだいじんがしょく ちくざんいっしただちか)と読みます。1936年(昭和11)の初夏に、高田忠親が伊藤伝右衛門に頼まれて篆書(てんしょ)で書きましたという意味です。伊藤大人は伊藤伝右衛門のことです。逸子はまずい書家であると自分を謙遜する言葉です」
(文)