甲斐女王優勢。清水女流王位、苦しい局面が続く
図は15時すぎの局面。後手の甲斐女王が角筋を通した手に対し、先手の清水女流王位は7七に銀を埋めて守った。後手の立場からすると、攻めるとすれば△5六歩の「垂れ歩」で迫るのが確実。だが、及川四段は「この局面で普通は△5六歩ですが、▲4五桂や▲4三飛で容易ではないので、少し指しにくい△6三歩▲5三角成△3七飛成も有力そうです」と他の策を提案している。控え室では「どうすれば先手が粘れるか」に焦点を当てて検討している。形勢は後手が優勢で、先手はだいぶ苦しいようだ。考えても考えても悪い局面ばかりが浮かぶと、考えること自体も苦しくなる。徳島では負けなしの清水女流王位、ここで粘って踏みとどまることができるか。
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