16時となり、図の局面を迎えています。藤井王座が▲1五歩と突いたところです。△1五同歩は▲1二歩△同香▲1三歩△同香に▲2五桂と跳ねて香を取りにいき、△2二銀には▲1三桂成△同桂に▲8七香(参考図)と打って飛車を取る狙いがあります。しかし、先手としても飛車先が素通しのため、怖い筋があります。△8七歩が手筋ですが、▲8九飛と回って迎撃する方針かもしれません。取材で現地を訪れている勝又清和七段は「形勢は難しいところだと思います」と話しています。

(琵琶)

図で藤井王座は▲6八玉と立ちました。手損を嫌うなら▲7九玉ですが、本譜は飛車の横利きを通してバランス重視です。以下、仮に△8六歩▲同歩△同飛▲1五歩△同歩▲1三歩△同香▲同角成△同桂▲8八香(参考図)と進めば飛車が捕まり、先手の技が決まります。
(玉響)
第4局の舞台である陣屋は、1918年(大正7年)創業の老舗旅館。新宿駅から小田急線で約1時間、最寄り駅の鶴巻温泉北口からは徒歩4分ほどの距離にあります。これまで同地で開催された将棋・囲碁のタイトル戦は300回を超えており、幾多の名勝負が繰り広げられてきました。藤井王座が陣屋で対局するのは3回目、伊藤叡王は今回が初めてです。