前夜祭(4)
(決意表明 藤井聡太王座)
「私はシンガポールを初めて訪れました。ただ、周りには訪れたことがあるという人も多く、日本にとって関わりの深い国であることを実感しています。今回、文化交流事業の一環として開催されるこの対局を通して、シンガポールの方々にも日本の将棋文化を知っていただき、その魅力を少しでも伝えられたらうれしく思います。伊藤叡王との対戦は一年ぶりとなります。その間の成長を見せて、皆さまに将棋の魅力を存分に見せられるよう、全力を尽くしたいと思います」
(決意表明 伊藤匠叡王)
「今期の王座戦がシンガポールで開催されるということを伺ったのは、まだ予選の対局が始まる前のことでした。海外対局は非常に貴重な機会ですので、ぜひとも対局者として訪れたいなと思いまして気合を入れて臨みました。実際、その思いが実って藤井王座とのタイトル戦を実現することができまして、私自身大変うれしく思っております。昨日からシンガポールに入りまして、マーライオンやマリーナベイサンズなどを訪れ、現地のエネルギーをたくさん頂きました。緑が多い国で、研究で疲れ切った目を癒してくれる場所だと感じました。また先程検分を行いまして、素晴らしい対局場を整えて頂きまして、環境の違いなども気にならず、気持ちよく対局に臨むことができそうだなと感じております。明日はいよいよ対局ということで、しっかりと切り替えて集中して対局に臨みたいと思います。最善を尽くして、拮抗した戦いが続くことを目指して全力を尽くしたいと思っております」
(紋蛇、書き起こし=武蔵)