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2025年9月 3日 (水)

前夜祭(3)

Dsc_8215_283石川浩司・駐シンガポール日本国特命全権大使)
「シンガポールのことをご紹介しますと、人口は600万弱の非常に日本に比べると小さな国でございます。歴史的にも、今年は戦後80周年ということになっておりますが、戦争中は日本軍が占領したという負の歴史を持っております。しかしながら、その後、シンガポールが建国され、そして、日本の力を使ってシンガポールも発展したいという、特にリー・クアンユー初代首相の強いリーダーシップのもと、それに応えて日本企業もこちらにきて事業を展開し、技術も移転し、一緒に働いてきた積み重ねが、いまの日本とシンガポールとの関係につながっております。
シンガポールという国において、日本食レストランは1200軒あるといわれており、日本に対して非常にいい感情を持っていただいています。そういう中で、今回また将棋をこの地にまた持ってきていただいて、シンガポールの方にも広げていただけるというのは、非常にいい機会だなというふうに私自身も思っているところでございます。
明日の対局がまた熱戦となって、それを通じてシンガポールの方にも日本の将棋の魅力が伝わっていけば非常にありがたいというふうに思っています」

Dsc_8216_284(田中裕公・東海東京グローバル・インベストメンツ取締役社長)
「名古屋を基盤とする当社グループでは、名古屋城こども王位戦や朝日杯将棋オープン戦に協賛しており、王座戦においても静かで熱い戦いを間近で拝見しておりました。タイトルを懸けた戦いは、見ている側としても手に汗を握る熾烈な戦いが繰り広げられたことを、いまでも鮮明に記憶しております。まさか、このシンガポールの地で王座戦をまた拝見できるとは思ってもみませんでした。
話は少し変わりますが小生、剣道をたしなんでおりまして、現在シンガポールナショナルチームを育てております。来週末にこのシンガポールにASEAN10か国が集まり、3年に1度開催されるASEAN剣道大会が行われます。シンガポールは昨年開催された世界剣道大会で男子チームが60か国中ベスト8位の成績を収めたり、世界武道大会で3位入賞を果たす女性剣士がいたりと、剣道における日本との交流は、長きにわたり続いております。
剣道のみならず、その他の文化活動におきましても、今後も末永く日本とシンガポールの良好な関係が続いてくれることを願いたいと思います」

Dsc_8220_287(芝田浩二・ANAホールディングス株式会社代表取締役社長)
「明日から藤井聡太王座と伊藤匠叡王により、命を吹き込まれた40枚の駒が、81マスが織りなす無限の宇宙空間で、縦横無尽に高速3次元の戦いを繰り広げることにより作り出される新しい歴史を、ひとりの将棋ファンとして、ワクワクしながら大変楽しみにいたしております。
ANAの東京-シンガポール線は、1991年の就航から34年間、皆様に支えていただいて参りました。足元では、シンガポール航空とジョイントベンチャー契約を締結し、ご利用いただける運賃やマイルの利便性を高め、お客様に一層ご満足いただけるよう努めているところでございます。
将棋王座戦の海外対局は、第50期の中国・上海対局以来23年ぶりとお聞きしております。今後とも、私どもは、微力ではございますが、将棋を世界へ広めるお手伝いをさせていただければと願っております」

(紋蛇、書き起こし=武蔵)

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