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2025年9月 3日 (水)

記者会見(3)

Dsc_8062_246(清水市代・公益社団法人日本将棋連盟会長
「本対局は、シンガポール建国60周年を記念した文化交流事業の一環として、在シンガポール日本国大使館、Japan Creative Centreをはじめ、多くの皆様のご支援とご協力のもと実現いたしました。
私事で恐縮ですが、初めての海外はタイトル戦の対局で、アトランタでした。他国の文化と世界の大きさに初めて触れさせていただいたことで、それまでの女流棋士としての悩みが小さく思えたことと、日本を離れて初めて、日本の伝統文化のいいところを再発見するきっかけにもなりました。
シンガポールと日本は長年にわたり、友好関係を築いてまいりましたが、今回の王座戦を通じて、将棋という日本の伝統文化が新たな形で紹介されることは、両国の文化的なつながりをより深めるものと確信しております。
また、対局以外にも、学校訪問や将棋教室など、シンガポールの皆様と交流させていただく機会も予定されており、将棋が世代を超えて、国を越えて、心と心をつなぐ存在であることを実感していただける機会になることを期待しております」

Dsc_8065_250 (藤井聡太王座)
「将棋は大変面白いゲームですが、まだ世界で十分に認知されているとはいいがたく、いい方を変えれば、これから多くの方々に知っていただく余地を残しているということになります。今回の王座戦第1局をきっかけとして、興味をもってくださる方が増えることを心より願っています。
昨日の朝に到着して、マーライオンを見学したりとシンガポールならではの時間を楽しむことができました。明日の対局も、ほどよくリラックスした状態で臨むことができそうです。
将棋の魅力を多くの方にお伝えできるような熱戦となるよう、力を尽くしたいと思っています」

Dsc_8069_272(挑戦者の伊藤叡王)

「藤井王座は常に素晴らしい内容の将棋を指されて結果を残し続けておられ、大きな刺激を受けております。盤を挟む度に多くの学びがあり、私自身、対戦を重ねることで大きく成長することができたと感じております。今回は久々の対戦ということで、いままでとはまた違ったシリーズになるのかなという予感もありますが、挑戦する気持ちを持ちつつ、一手一手最善を追求していい内容の将棋をお見せできればと思っております」

Dsc_8073_257(立会人の佐藤康九段)

「私事になりますが、約32年前にシンガポールで対局をさせていただいたことがありました。今期の王座戦五番勝負はタイトルホルダー同士の若い同学年のお二人の頂上決戦が実現しました。今回で4度目のタイトル戦での激突となります。現代将棋はAIの進歩もあり、一段と棋士の進化も著しく、その最先端を走っているお二人の新たな世界が紡がれるのではないかと思います。研究のみならず卓越した技術、謙虚な姿勢、タフな精神力もあわせ持つお二人による素晴らしい勝負となり、新たな名局、歴史が刻まれることとなるでしょう。また、お二人の和服姿や対局にまつわる日本の伝統文化、様式美にもご注目いただければと思います。私も立会人として対局が滞りなく行われていくよう、務めてまいりたいと思います」

(紋蛇、書き起こし=武蔵)

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