１手前まで永瀬王座が優勢になったのではないか、と控室ではいわれていました。代えて▲４四馬が有力視されていたところ、本譜は後手玉を上部に追うことになるようです。後手が入玉した場合、先手は入玉が難しいため「後手がよくなってもおかしくない」と継ぎ盤周り。ここ数手でガラリと評価が変わっています。

（難解な最終盤。永瀬王座に相手の入玉を防ぐプランはあるか）

（虹）

この着手で藤井竜王・名人が持ち時間を使いきりました。以降は一分将棋です。対する永瀬王座も残り６分ほどで、すぐには次の手を指しません。扇子をあおぎ、自身に向けて強く風を送っています。そのまま持ち時間を使いきり、両者とも一分将棋に突入しています。

（神戸の夜景。局面はいよいよ両者にとっての正念場を迎える）

（虹）

控室の検討にもあった手が出ました。以下▲３九飛△９七香成▲同桂△４八銀（変化図）となれば、これまで形勢不明といわれ続けていたのが後手持ちに変わるといいます。

（控室で熱心に検討をし続ける福崎九段）

（その向かいに陣取る棋士３名。斎藤慎八段は「大盤解説では△５八歩～△９六歩の筋を調べましたが、それは▲１七角と出る前でした」と応じる）

（虹）

藤井竜王・名人は７二にいた後手玉を２手連続で中央のほうに逃げました。ただし先手の垂れ歩の効果で以下▲３四歩△同銀▲４二金の攻め筋が見えており、実戦もそう進みました。角を差し出した代わりに後手玉の上部脱出ルートが開かれ、控室の継ぎ盤周りでは「持将棋」の単語が聞こえるようになっています。

（第１局と同様、ねじり合いの最終盤が予想される）

（虹）

（神戸元町商店街の東端）

三宮の連なる商店街のアーケードを進み抜けて、元町に入ったあたりで神戸元町商店街と合流します。こちらも横幅のあるアーケードが続きます。

【神戸元町商店街】
https://www.kobe-motomachi.or.jp/

（商店街の途中で海側に入ると、中華街である南京町に到着。どの時間帯も観光客で賑わっている）

【南京町】
https://www.nankinmachi.or.jp/

（長安門は、南京町の東端にある楼門）

（こちらは西端の西安門）

（さらに海側に抜ければ国道２号線。ホテルオークラ神戸のすぐ近くを横断する）

（改めて商店街内へ。西に進むほど、通行人の雰囲気が観光客から地元民に変わりゆく）

（アーケードの天井付近に設置されていた船の模型。いかにも港町らしい）

（商店街を西端に抜けた。道なりに進めばJR神戸駅だ。そちらからも足を運びやすい）

（虹）

大盤解説会場ではこの手が着手されると、「角のラインが大事ということですか」と糸谷八段が反応していました。先手から３七角や９七香を生かした攻めが飛んできそうな局面ですが、△９七角成の香取りと王手を見せることで切り返す狙いでしょうか。

（今回は西遊棋の運営として訪れていた糸谷八段）

（新聞解説の村山八段とのダブル解説だ）

（虹）

（少し前の大盤解説では、冨田四段が解説として壇上に）

（榊女流２級。先輩から教わりながら聞き手を務めた）

（指導対局の様子。こちらは森本四段）

（同じく室田女流二段）

（会場の様子）

（虹）

いよいよ戦いが本格化し、両者の着手のペースも早くなってきました。斎藤慎八段は「駒が入る後手のほうを持って何とかしたい」との見解でした。
「ただ９筋の負担はあります。▲５六同銀△同飛▲９三歩成で相手に委ねるような指し方ですね。ジリジリとした将棋ではありませんが、そのとき考えることが多いのは後手です。例えばそこで△７五歩で足りるのかどうか、後手にとっても玉頭ですから」（斎藤慎八段）

（永瀬王座は端攻めにより敵玉に手をつけやすい。とはいえ互いに主張があり、まだまだ難解な戦いは続く）

（虹）

夕食の注文は、永瀬王座が「アメリカンクラブハウスサンドイッチ」と「オレンジフレッシュジュース」と「ウーロン茶」、藤井竜王・名人が「五目焼きそば」と「ウーロン茶」。

（永瀬王座の注文）

（夜戦に備えてガッツリと）

（五目焼きそばのアップ）

（藤井竜王・名人の注文。こちらもなかなかのボリュームだ）

（虹）

17時、図の局面で夕食休憩に入りました。消費時間は▲永瀬３時間28分、△藤井３時間40分（持ち時間各５時間、チェスクロック使用、切れたら１手60秒未満の着手）。対局は17時30分に再開します。

（虹）