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◆久保九段の談話◆
――今日の将棋を振り返って、いかがでしょうか。
久保 玉頭戦だったので、手厚くできるかどうかの勝負でした。ちょっと攻めが遅くなったので、夕食休憩辺りは自信がなかったんですけど、そのあと何とか手を作れたという感じの将棋だったかもしれません。
――序盤の7二玉型は、最近注目の形でした。
久保 研究会などでやっていました。
――タイトル戦は2年ぶり、王座戦でもかなり久しぶりの挑戦になります。タイトル挑戦を決めたお気持ちを。
久保 終わったばかりであまり実感は湧いていないんですけど、五番勝負はスタートダッシュを失敗するとあっという間に終わってしまうので、第1局をしっかり準備して挑みたいと思います。
――40代半ばでの挑戦は最近は珍しいですが、現在のご自身の年齢でタイトル戦に出られることについて、何か感慨はありますか。
久保 そうですね。でも、ちょっと上の先輩方がたくさん頑張っていらっしゃっているので、自分も続けたらなという思いでやっていました。
◆渡辺二冠の談話◆
――序盤から今日の一局を振り返っていただけますか。
渡辺 あまり類型がない形なので、端で駒をぶつけていったあとも、形勢はよく分からないなと思いながらやってたんですけど。お互いにいろんな選択肢があった将棋だったと思います。
――よくなった場面もあれば、悪くなった場面もあったのでしょうか。
渡辺 そうですね。端を攻めた直後は失敗したと思ってたんですけど、夕食休憩辺りでは好転したと思いました。ただ、ちょっとそのあとの方針がチグハグになってしまいました。
――棋聖戦からの巻き返しで、三冠、四冠を期待する声もありましたが、今日の負けはどのように位置づけられますか。
渡辺 チャンスがありそうな将棋だったので、その点は残念です。
(睡蓮)
永瀬拓矢王座への挑戦を目指す第68期王座戦挑戦者決定戦の▲渡辺明二冠-△久保利明九段戦は、20時22分に122手で久保九段の勝ちとなりました。消費時間は▲渡辺明4時間59分、△久保5時間0分(チェスクロック形式)。
勝った久保九段は2007年度の第55期以来、13年ぶりの五番勝負登場となります。
五番勝負第1局は9月3日に神奈川県秦野市「元湯 陣屋」で指されます(現地大盤解説会は行いません)。