【羽生善治王座インタビュー】
――本局を振り返っていかがでしたか。
「序盤で▲7七角と上がって、少し工夫したつもりだったんですけど……。端からこられて、ちょっと先手としてはつまらない将棋になってしまったかなと」
――形勢がよくなったと思ったのはどこでしょうか。
「▲4四桂を打ったところでは少し面白くなったんじゃないかと思いました。それまでは、そんなに成算があったわけではなかったです。竜も作られてしまったし、少しずつ悪いと思っていました」
――これで王座防衛ということになりましたが、それについて感想をお願いします。
「非常に苦しいシリーズだったので、結果が出せてよかったと思っています」
【佐藤天彦八段インタビュー】
――本局を振り返っていかがでしたか。
「積極的に仕掛けたつもりだったのですが、かなり守りが薄くなってしまったので、あまり自信はなかったですね」
――ずっと形勢には自信がなかったのでしょうか。
「竜を作ったあとに何かないかと、いろいろと考えたのですが、ちょっとそのあたり具体的な手段が思いつかなかったので。あまり自信のない局面が続いていたのかもしれないですね」
――惜しくも初タイトルの奪取はならなかったわけですが、そのことについてご感想をお願いします。
「自分なりに力は出せたとは思うのですが、非常に難しい局面が多くて。そういった難しい局面でしっかり指せるようにできたらなと思います」
(八雲)
85手で佐藤八段が投了。第63期王座戦五番勝負の最終結果は羽生王座の3勝2敗。羽生王座が4期連続、23期目の王座獲得を決めました。七大タイトルの通算獲得数は94期になります。