15時から現地にて大盤解説会が始まりました。15時25分現在で、110人が来訪しています。
「今日はダジャレはいいませんよ。私がいってもしょうがないもん」。
「あとでダジャレの達人の豊川七段がゲストで登場するからですね?」
解説の内容を少し紹介します。
「△9六歩▲同歩△9七歩▲同香と仕掛けてから△9三桂と跳ねたんですよ。1手遅いから大丈夫かなと思ったんですけどね。▲8六歩なら△8五歩と合わせて大丈夫。問題は▲3三角成△同桂▲7七桂とされると9三の桂が使いにくいんですが、これには△2五歩と打ってね。▲2八飛に、いい手がありますよね(参考図)」(藤井九段)
「△6四角で飛車と香の両取りですね」(中村真女流三段)
「そう。リョードリーヘップバーン」(藤井九段)
(八雲)
対局場の湯村温泉・常磐ホテルは昭和4年に創業した歴史ある温泉旅館です。これまでに昭和天皇、今上天皇を始め、多くの皇室の方々が宿泊されています。また、作家の井伏鱒二や、将棋愛好家だった山口瞳らが常宿としており、他にも多くの文豪が訪れたそうです。
広々としたロビーに入ると、目の前に素晴らしい日本庭園が広がっている。
常磐ホテルの見どころは日本庭園です。春の桜や秋の紅葉など、四季折々の美しさを見せてくれる趣のある景色に心が揺さぶられます。
アメリカで発行されている『ジャーナル・オブ・ジャパニーズ・ガーデニング』という日本庭園・日本建築の専門誌が行っている日本庭園ランキングでは2012年と2013年に常磐ホテルの日本庭園が3位に選ばれています。このランキングは庭園の知名度や由緒に関わらず、純粋に庭園の質で選出することが最大の特徴で、常磐ホテルの庭園が、歴史的価値を考慮に入れなくとも素晴らしい質であることを示しています。
庭園を囲むように離れが建てられている。前述したランキングでは、庭園と離れの建物のバランスのよさが好評化の理由としてあげられている。
正面に見えるのが対局室に使われている離れの「九重」。井伏鱒二ら多くの文人に愛されてきたという。長い歴史の中で建て直しがあって位置が変わっているが、離れの中でも庭園をもっとも美しく眺めることのできる部屋に「九重」の名前が与えられているとのこと。
(八雲)