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18時、豊島七段が▲6八歩と受けた局面で夕食休憩に入った。「ここでスパッと決める手があるかどうかですね。あるならもっとポイントを稼ぎたい局面です」と佐藤天七段。昼食休憩明けからここまでの流れを、佐藤天七段に振り返ってもらった。
「▲4五歩は大きな方針を決めた手です。▲6五歩だと一時的に受けに回ることになるので、そうではなく、この一瞬で激しく攻めて、後手の1二香型をとがめようという展開ですね」
「△4五飛には▲同飛△同銀▲2四桂で激しくいく順もありましたが、どのような終盤になるのか不透明です。本譜の順とは分岐点でした」
「△6九銀のときに、▲6六銀が利いたかどうかはひとつポイントだと思います。というのも、本譜の▲3二桂成があまり利いていないからです」
「△3三銀と引いた形は後手陣が引き締まっていて、2筋と1筋も広い。後手に楽しみの多い展開になりました」
68手目△4五飛の局面。控室では大内九段と佐藤七段が▲4五同飛からの激しい変化を調べていました。以下△同銀▲2四桂△6九銀▲3二桂成
△同金▲2四歩で参考1図。後手は△4九飛が攻防手になります。
しかし、△7八銀成▲同玉△4九飛とすると、▲6二飛△4二歩▲4一馬△3一桂▲4二飛成(参考2図。△同金は▲2三金以下詰み)△6七角▲同金△同歩成▲同玉△5六銀▲同玉△4二飛成▲同馬△6四桂▲6七玉△4二金▲4四飛(参考3図)まで進むと先手よしです。
よって、△7八銀成とせず、すぐに△4九飛が勝るようです。以下6二飛△4二歩▲4一馬△3一桂(参考4図)のときに▲4二飛成が利きません(銀を持っていないので△同金で後手玉は詰まない)。参考4図以下▲6八金右△7八銀成▲同金△6七金と進むと千日手の可能性がありました。
実戦は豊島七段が▲4六歩と打ち、△5五飛▲2四桂と進めました。
(銀杏)