中原誠名誉王座・十六世名人、王座戦の思い出
本局のスペシャル解説・中原名誉王座
「王座戦に初登場したのは第17期のことです。翌18期からタイトル戦形式の「挑戦制」を導入することが決まっており、この17期で優勝した方が来期からトーナメントを勝ち抜いた挑戦者と3番勝負を行うことになっていましたので、節目の時でしたね。私はB級1組で棋聖を保持していましたが、相手の有吉八段(当時)はA級の第1位で、その年の名人挑戦者でした。3番勝負は初戦に敗れたものの、その後連勝して初優勝することが出来ました。3局とも内容が非常によく、とても印象に残っています。初戦は東京「福田家」2局目が大阪「鉢の木」と料亭での対局で当時22歳の私は対局場に馴染むまで少し時間がかかりました。
また本局に使用している盤は久しぶりに天童で対局が行われたので強く思い出にあります。昭和51年2月の寒い時期で立会は塚田正夫先生でした」
(聞き手は高野秀行五段)
本局に使用されるのは天童市所蔵の盤。いつもは天童市将棋資料館に飾られている。
第25期王将戦で中原誠王将と有吉道夫八段の対局で使用されたもの。
(吟)
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