現地大盤解説の会場に登壇
終局直後の様子
【藤井王将の談話】
――本局の戦型は予想していたか。
藤井「考えられる戦型の一つと思っていました。本譜の馬を作り合う順をやろうと思っていましたが、実際に指してみると構想の立て方が難しかったと感じました」
――1日目を振り返って。
藤井「序盤から一手一手が難しい将棋になったと思いました。(15手目で)1六に馬を引いたんですけど、進んでみると(馬の)働きがよくない気がしました。どうやって馬を使うかが苦心したところでした」
――2日目午前はお互い馬を自陣に引きつける展開になった。
藤井「かなり手が広い局面が続いて、どう判断すればいいか非常に難しいところだと思っていました」
――2日目の昼食休憩明け(57手目)については。
藤井「飛車を3四か1六に打つか迷ったんですけど、本譜はどれぐらい主張があるか分からない展開になってしまったかなと。そのあと銀を繰り出す感じになって、少しずつ指しやすくなったかなと思います」
――これで王将戦は3連覇。今期シリーズを振り返って。
藤井「対抗形は相居飛車と比べて中盤が長い将棋になりやすく、王将戦もそういった展開が多かったんです。長い持ち時間で考えられたことは、いい経験になったと思います」
――これでタイトル戦は20連覇。大山十五世名人の19連覇を更新したが、それについては。
藤井「そういったことは意識せず、棋王戦五番勝負も開幕しているので、前を向いてやっていきたいと思います」
【菅井八段の談話】
――シリーズを振り返って。
菅井「1日目から苦しくなる将棋が多かったので、自分の研究不足というか、それが結果に出たかなと思います」
――本局については。
菅井「戦型に問題があるのか、その後の指し方に問題があるのか、具体的にどこが悪かったというのは難しいんですけど、苦しい時間が長かったと思います」
――今期番勝負の4局を振り返って、何か収穫はあったか。
菅井「すごい簡単なミスをした将棋もたくさんあったので、内容において収穫があったかというと難しいですね。ちょっと自分のミスが多すぎました」
――今年度は残り1カ月半だが、残る期間に向けての抱負は。
菅井「もう少し力をつけて、振り飛車を指すならもうちょっと工夫するとか、何か戦い方を変えるとか、そういう大きな変化が必要かなと思います」
藤井王将が3連覇
図の局面で菅井八段が投了しました。終局時刻は17時52分。消費時間は▲藤井7時間13分、△菅井7時間35分。
勝った藤井王将は4勝0敗で防衛を決めて、3連覇を果たしました。またタイトル戦を20回連続で制したことになり、大山十五世名人(永世王将)が保持している19期連続(1963~66年。名人4期、王位3期、十段3期、王将3期、棋聖6期)の記録を抜いて、歴代単独1位に躍り出ました。
【藤井聡太、タイトル連続獲得期数の記録を更新】
https://www.shogi.or.jp/news/2024/02/post_2399.html
藤井王将が優位を拡大
図は持ち駒の金を7五に打った局面。控室では「カラい」との声が上がりました。駒割りは▲金香△銀で先手の駒得。加えて玉の堅さ、手厚さでもまさっています。藤井王将が隙のない指し回しを続けて、盤石の態勢を築きつつあります。