2023年3月11日 (土)

18時前、控室では羽生九段の次の一手を検討していました。先手の手は広く、絞りきるのは難しかったようです。しかし、羽生九段は18時になると、すぐに封じる意思を示しています。

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Img_6773(深浦九段は▲2八玉を予想。現状は△3七歩から玉頭直撃の攻めが飛んできそうなため、それを緩和したい)

Img_6771(田村七段は▲3四銀を示した。定刻にすぐ封じたことからシンプルな受けを選んでいそうとの読み)
Img_6776(武富女流初段は、明日の大盤解説会の聞き手を務める)

以上で、1日目の中継ブログの更新を終了します。
明日は決着が着く2日目。9時の対局再開をお楽しみに!

Img_6783(封じ手用紙を手に、別室に移動する羽生九段)
Img_6788(対局室では藤井王将が待つ)
Img_6796(羽生九段が部屋に戻る)
Img_6802(藤井王将も封じ手の封を確認して、羽生九段から深浦立会人に手渡された)
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Img_6813(一日目が終了した)

2023031156時刻は17時を回り、封じ手の時間が近づいていきました。現局面について、深浦九段は 「41手目▲6八飛と回って攻めたにしては、現状の飛車の位置はよくありません。数手前には▲5五銀打から千日手に持ち込む変化もありましたが、△7二金と上がらせたならば▲2四歩△同歩▲2三歩といった攻め筋が狙いのひとつとして考えられます。一方の後手は、じっくりと指して歩得が生きやすい展開にしたいです。玉をどこに囲うかは悩ましいところで、先ほどの2筋攻めに備えるならば△4二玉とはしにくく、▲6四歩△同歩▲同飛の筋を警戒するならば△5二玉や△6二玉は避けるでしょう」と見解を述べています。
Img_6767(昼食に出されたうさぎの容器はドレッシング。ずらりと並べてみた)

昨日、両対局者は検分後に揮毫を行いました。
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Img_6192 Img_6199(「うんがいそうてん」。努力して困難を乗り越えると、先には青い空が待っている)

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Img_6219_2(「こっきふくれい」。過度の自己主張を抑制し、礼儀に則るようにする)

2日制の対局の場合、翌日の手番の者が次の手を用紙に書いて封じ、1日目が終了します。控室では、その封筒が準備されました。
Img_6747(署名する深浦九段)
Img_6750(封じ手は2通作成される)
Img_6756(副立会人もサインして、完成)

藤井王将は8日(水)、羽生九段は9日(木)に、それぞれ対局を終えてから佐賀入りしています。
特に藤井王将は、棋王戦の番勝負やA級順位戦プレーオフなども重なり、対局が増え続けています。8日の対局に勝って名人の挑戦権も獲得し、重要な対局が続いて休む暇はなさそうです。
Img_6081(昨日の検分前に、記念撮影に応じる対局者)