第63期王将戦七番勝負第6局 Feed

2014年3月12日 (水)

13時28分、羽生三冠が入室し腰を下ろす。続いて渡辺王将が姿を現した。ほどなく「時間になりました」と梶浦三段の声。渡辺王将は扇子を広げてはたはたとあおぎ、目をつむって眉間にしわを寄せる。羽生三冠は腕組みをしてうつむいていた。

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12時30分、図の局面で昼食休憩に入った。渡辺王将が先に手を変え、第3局とは異なる進行になっている。昼食は渡辺王将が天丼、羽生三冠が割子そば。そばは三瓶そばで、さんべ荘で作られた手打ちのもの。ねぎやわさびの薬味のほか、大根おろしととろろが付いている。対局再開は13時30分。

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島根県のご当地キャラクター「しまねっこ」はゆるキャラグランプリ2013で10位の実力者。大田市のキャラクター「らとちゃん」は123位。某九段を思い出させる順位である。「全部で千数百あるらしいですから、A級ですよ」鈴木八段。どちらもロビーの売店で見かけることができる。

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(い、今です……)

大田市は島根県のほぼ中央に位置し、北に日本海、南に中国山地の山々を望む。世界遺産の石見銀山遺跡、国立公園三瓶山、温泉津(ゆのつ)温泉などが観光名所として知られる。
以下は観光パンフレットより。
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島根のほぼ中央部には古くから銀鉱山が点在していました。なかでも大田市の石見銀山は一五二六年に発見されて以来約四〇〇年にわたって採掘されて来た日本随一の鉱山遺跡です。十六世紀から十七世紀前半にかけての最盛期には世界の銀の約三分の一を占めたといわれる日本銀の大半が石見銀山から産出されたといいます。
また、石見銀山遺跡とその周辺では鉱山開発に伴い適切な森林資源の管理も行われたことによって、今日でも豊かな自然環境が残されています。二〇〇七年七月「石見銀山遺跡とその文化的景観」として、鉱山遺跡としてはアジア初のユネスコの世界遺産に登録されました。

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後手の渡辺王将は積極的な作戦を選んだ。図は8筋の歩を交換して△8五飛と五段目に引いたところ。今期七番勝負第3局と同じ進行だ。第3局の結果は後手勝ち。ただしそのときとは先後が逆になっている。結果から見れば工夫を求められるのは先手だが、第3局を後手で勝った羽生三冠は「作戦的には問題があったと思う」と感想を残していた。鈴木八段は「後手が手を変えると思います」と話している。

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(控室の鈴木八段=左、近藤六段)

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羽生三冠の▲7六歩に渡辺王将は△8四歩と応じ、矢倉に進んだ。相矢倉は第1局、第3局に続いて今シリーズでは3回目。第1局は持久戦、第3局は急戦に進んでいるが、本局はどうなるだろうか。

定刻の9時になり、立会人の鈴木八段が「定刻になりました。羽生挑戦者の先番でお願いします」と対局開始を告げた。羽生三冠は息を整えてから初手を着手。渡辺王将はじっと目を閉じ、しばらくの間身動きしない。やがて、盤上に手を伸ばす。わずか2分の時間が長く感じられた。

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