どちらに逃げるか 飛車先を押さえる歩に対して、検討では△9二飛も△7二飛も有力視されていました。藤井王将は8分を消費して△7二飛と逃げました。次に△7五歩が、飛車と銀の両取りになります。この局面で時刻は17時40分を回り、封じ手の時刻まで20分を切りました。この局面で封じ手となるのでしょうか。(大盤解説会は、畠山鎮八段と藤井女流初段に戻った。本局で使用される駒について、言及があった)
封じ手まで残り1時間 戦いが起こると、指し手が進みにくくなります。大盤解説会では解説の間に、福崎九段のジョークも入って、笑いが耐えません。(福崎九段は身振り手振りを交えて、解説する)(一緒に解説する畠山鎮八段も思わず笑う)局面は上図△7四歩に▲同銀△8六歩▲7五飛と進みました。と金作りを誘って、△8七歩成には▲8三歩△9二飛に▲8五飛(変化図)と反撃できます。 (日が暮れてきた。雪はまだ大量に残る)
さんべ荘周辺 さんべ荘は大田市の東端、三瓶山の山麓にある国民宿舎です。館内にある三瓶温泉は源泉かけ流しで、西日本でも有数の湧出量をほこります。三瓶山麓の裾野の洞窟より毎分に2,000リットルものお湯が湧き出ています。神経痛や筋肉痛、冷え性、疲労回復に効果があり、釜風呂や露天風呂大小あわせて17種類の温泉が楽しめます。そんなさんべ荘周辺の景色をお届けします。(正面玄関) (早朝、誰かが三瓶山に登ったようだ)(道路の雪は溶けているが、凍っていて滑りやすい) (さんべ荘のバス停も雪に覆われた)
取っても逃げても 上図△6四歩に、菅井八段は長考に沈みました。福崎九段は「△6四歩は角にプレッシャーをかけながら、次に△6三金を見せている。互いに自分の指したい手を指すのではなく、相手の手を封じるプロらしい応酬」と、ここまでの流れをまとめました。15時50分頃、先手は50分の長考で▲4四角と交換に動き、△同歩▲7八飛に△7四歩(下図)と進みました。以下、先手がこの歩を取っても銀を逃げても、△8六歩が生じます。このまま決戦に突入するのでしょうか。(現地は日が出て気温が上がり始めた。つららが溶けて、滝のように水が流れる)
共通点 さんべ荘内には、これまでの王将戦で寄贈された数々の品が飾ってあります。その中の写真や揮毫に、とある共通点を見つけました。(第67期第5局の際に揮毫された)(第70期第6局は、千日手の末の決着だった)(前期は、2勝2敗同士で第5局を迎えた)(第67期以降、連続でさんべ荘での正立会人を務める福崎九段)
1日目午後のおやつ 15時を回って、午後のおやつが出されました。注文は、藤井王将は「朝摘み苺 いちご姫」とアイスティー、菅井八段は生クリーム大福とホットコーヒーです。「朝摘み苺いちご姫」は、ベリーソース入りのバニラのムースを包み込んだ、いちごクリームのモンブランです。(大田市産のいちごに、王将がデザインされた)(眠るように目を閉じる)(生クリーム大福は、午前に藤井王将が頼んだものと同じ)
開戦か 14時13分、菅井八段が▲7五歩と突き出しました。以下、△同歩▲同銀と進んだところで、藤井王将が手を止めました。前例の3局はすべて△4四角、△4四銀、△4四歩と4四の地点に駒が進んでいます。藤井王将は前例のいずれかに倣うのか、それとも別の手段に出るのか。早くも分岐点のひとつとなりそうです。(出雲縁結び空港では本局を歓迎して、看板が掲示されていた)
1日目大盤解説会 13時から現地では大盤解説会が行われています。事前申し込み制で、すでに募集は締め切られています。(大盤解説会には大勢のお客様が集まった)(聞き手を務めるのは、藤井女流初段)(14時からは、藤井女流初段が井上九段と交代した)(畠山鎮八段は、開始から連続で登壇する)(井上九段は理事として、現地を訪れた)
1日目昼食休憩から対局再開まで(2) (菅井八段は食事を手早く済ませ、対局室に戻って考えていた)(記録係の入室を見て、棋譜用紙を受け取る)(藤井王将も着座後に、棋譜用紙を求めた) (対局再開。報道陣が退室する直前に、藤井王将は△2二同玉を指した)