2023年1月

2023年1月 8日 (日)

Dsc_3645 (昼食休憩時の対局室)

Dsc_3642001 (37手目▲2六飛の局面で昼食休憩入り。掛川の対局で用いられる盤や駒、駒台は、異業種交流団体「ゼロの会」が購入したもの)

Dsc_3651(本局で使用されている駒は、掬水師作の源兵衛清安書のもの)

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対局者の昼食は、藤井王将が「掛川牛の麻婆豆腐」(サラダ、ご飯、スープ付)、羽生九段は「遠州黒豚と掛川野菜のトマト煮込み」(サラダ、パン、スープ付)でした。

Dsc_3639 (藤井王将の昼食。麻辣のしびれるからさの本格麻婆豆腐。からさを調節できるように山椒を別の皿に盛っている。豆腐は掛川産のものを使用)

Dsc_3634 (羽生九段の昼食。遠州黒豚とトマト、掛川産のベーコンを煮込んで、旬の野菜を添えている)

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図の37手目▲2六飛の局面で羽生九段が1時間9分使って12時30分になり、昼食休憩に入りました。消費時間は▲藤井43分、△羽生2時間24分。対局は13時30分再開です。

Dsc_3624(8日のスポーツニッポン(右)は1面に記念写真のほか、芸能面に谷川浩司十七世名人の展望記事などを掲載。毎日新聞(左)は対局前日の記事のほか、特集の記事を掲載している)

「掛川城 二の丸茶室」での王将戦対局は、今回で14期連続14回目となります。これまでの13回の対局は下の画像の通りです(画像をクリックすると大きくなります)。
羽生九段と本局の立会人である久保九段の対戦が、掛川対局の最初です。意外にも、羽生九段は二の丸茶室の対局は3連敗。まだ勝ち星がありません。久保九段は掛川対局を6回経験しています。
最多対局は渡辺明名人の7局。6連勝していましたが、前期で藤井聡太竜王に敗れて初黒星。番勝負も藤井竜王が4連勝で王将奪取とともに史上最年少五冠を達成したのは、まだ記憶に新しいところです。

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図は24手目△6四銀まで。一手損角換わりに対して、先手側は速攻を狙って早繰り銀にするのが主流です。それに沿って、角換わり腰掛け銀で高い勝率を挙げている藤井王将も本局は早繰り銀を選んでいます。羽生九段も△6四銀と活用して、互いに早繰り銀の形になりました。図で藤井王将が▲3五歩として早くも歩がぶつかりました。

Dsc_3537 (対局前の藤井王将)

10時30分になり、対局者に午前のおやつが出されました。王将戦は10時30分に出ます。ほかの七番勝負では、午前のおやつは10時に出されています。
藤井王将は「火の羊羹 3種(ゆず蜂蜜・掛川茶・本練)」、「抹茶」、「アイスコーヒー」。羽生九段は「掛川桜のプリン」と「ホットコーヒー」。
Dsc_3595 (藤井王将のおやつ。掛川産のゆずやお茶を使った羊羹。口どけのいい火加減で練り上げたとのこと)

Dsc_3583 (羽生九段のおやつ。掛川市の牧場のジャージー牛乳を使用。プリンの側面に食用の桜が見える)

対局場の「二の丸茶室」の隣にある掛川城御殿では、8日9時から王将戦特別限定御城印が販売されています。8時ごろに御殿の入り口を通りかかったところ、すでに約30人が並んでいました。
【掛川城御殿 今年も「王将戦特別限定御城印」販売 「問い合わせ一日数十件」― スポニチ Sponichi Annex 芸能】
https://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2023/01/07/kiji/20230107s000413F2087000c.html
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20230108_8_2藤井王将の先手で始まった本局。作戦が注目されましたが、羽生九段が8手目に△8八角成として後手一手損角換わりとなりました。羽生九段が6手目に△3二金としたのが一つのサイン。代えて△8五歩なら王将リーグでも用いて、リーグ全勝に寄与した横歩取りが予想されました。
一手損角換わりといっても、角交換のタイミングで少しずつ指し方が異なり、4手目に△8八角成とするバージョンは、昨年4月の王位リーグ▲池永天志五段-△羽生戦で指しています。図と同じ8手目の角交換は2019年12月の第13回朝日杯二次予選▲三枚堂達也七段-△羽生戦以来の採用でした。

Dsc_3530 (対局前にお茶を飲む羽生九段。掛川市は深蒸し茶の生産で知られている)