2022年1月
終局直後
(終局後、感想戦の前にインタビューが行われた)
(勝った藤井聡太竜王は連勝スタート)
□藤井竜王のインタビュー
--封じ手(58手目)で△3五銀と踏み込んだ
封じ手では、代えて△4六馬もあるかと思いましたが、本譜のように攻め合ってどうか、踏み込んでみようと思いました。
--手応えを感じた局面は
△8六飛~△7七竜(84~86手目)として、▲8二飛に△7二歩の受けが利くようになったので、読みきれてはいなかったですが、感触がいいのかなと。
--総括として
かなり激しい展開でわからないところが多かったですが、△6七香(82手目)から攻める形にできたので、少し好転したのかなという印象でした。
--結果について
スコアは意識しないほうがいいかなと思いますし、来週の第3局に向けて、しっかり準備できればと思います。
(敗れた渡辺明王将は苦しい出だしとなった)
■渡辺王将のインタビュー
--本局を振り返って
△8八歩(52手目)で▲同金と取ったのがまずかったのかもしれません。指しているときは▲同金は仕方ないのかなと思っていましたが、進んでみるとだめにしてしまっているような気がしました。桂を取らせる変化にしなければいけなかった、とあとで思いました。
--2日目の進行での反省点は
封じ手のあとは、だいたいこんな感じかなと思った手順でした。△9七竜~△6七香(80手目~82手目)ならアヤがあるかなと思ったのですが全然だめだったので、△8八歩までさかのぼるのかなと。
--第3局に向けて
本局は内容がよくなかったので、もうちょっとまともな将棋が指せるようにやっていきたいです。
藤井竜王が連勝

第71期ALSOK杯王将戦七番勝負第2局は、98手で藤井竜王が勝ちました。終局時刻は16時15分。消費時間は▲渡辺王将6時間55分、△藤井竜王6時間41分。
この結果、七番勝負は藤井竜王の2連勝。第3局は1月29、30日(土、日)に栃木県大田原市「ホテル花月」で行われます。
終局の雰囲気
摂津峡の風景(2)
長考の末
摂津峡の風景(1)
2日目午後のおやつ
寄せきるには難しい
安満遺跡公園
両対局者は検分前に安満遺跡公園で記念撮影を行いました。安満遺跡公園は2019年3月23日に一次開園し、2021年3月27日に全面開園しています。敷地の面積は、なんと甲子園球場約5個分という広大さです。カフェやレストラン、子どもが遊べる大きな広場や遊具、そして防災施設としても活用できる高槻市民に寄り添い、愛される広場となっています。
(JR高槻駅や阪急高槻市駅から徒歩10分ほどの距離に位置する)
(2年前、渡辺王将と挑戦者の広瀬章人八段が訪れた際は、白い壁がはだかっていた)
【当時の中継ブログ】
https://kifulog.shogi.or.jp/ousho/2020/01/post-71a0.html
(現在は壁が取り払われ、奥に大きな広場と遺跡がある)
(検分前の記念撮影の様子、©スポーツニッポン新聞社)
【安満遺跡公園】
〒569-0096 大阪府高槻市八丁畷町12番3号(公園事務室)
お問い合わせ TEL:072-648-4725(午前9時から午後5時まで)









▲3五銀左のぶつけに構わず、香を成って決めに出ました。▲4四歩の攻め合いには△同金と取り、▲同銀なら△3七銀成から先手玉に詰みがあります。実戦も△6八香成に▲4四歩となりました。終局が近そうです。






渡辺王将は1時間14分の長考の末、玉の早逃げで対応しました。「玉の早逃げ八手の得あり」の格言に習い、△6八香成は▲8五角と出て角の成り込みを見せられます。






図は14時15分、△6七香の角取りに▲5八角と逃げて、香に当て返した局面です。控室の谷川九段は検討を続けており、△8六飛▲同歩△7七竜▲4八玉と駒を進めます。以下、△6八香成は▲8五角が嫌みな飛び出し。先手は飛車を二段目に打って王手をかける筋や、▲6三角成を見せて攻め味も生まれます。谷川九段は「後手が寄せきるのも難しい局面」と、悩ましそうな様子です。

