図の局面で渡辺明王将が投了した。終局時刻は19時36分。消費時間は、▲渡辺明7時間59分、△広瀬7時間59分。勝った広瀬八段は3勝2敗でタイトル奪取まであと1勝となった。第6局は3月13、14日(金、土)、佐賀県三養基郡「大幸園」で行われる。
2020年3月
2020年3月 6日 (金)
両者、一分将棋に突入
渡辺明王将が一分将棋に
ここで渡辺明王将が一分将棋に突入しました。残り2分時点で55秒まで読まれると手を動かしましたが、そのまま頬に当てて考慮を続ける形でした。対する広瀬八段は4分を残しています。
盲点の受け方

「この手は調べられていませんでしたね。手順の組み合わせが難しいところでしたが、香打ちの受け自体が挙がっていなかったと思います」(脇八段)
「香は7七地点に打ち込んで攻めに使いたい、といわれていました」(大石七段)
どうやら検討陣にとって盲点の受けだったようです。読み直しが始まりますが、なかなかハッキリとした手は示されません。広瀬八段が難解な局面に持ち込んだか、それとも渡辺明王将の読みの内か。対局室では記録係による秒読みの声が響くようになっています。

最終盤、詰むや詰まざるや含みの局面で互いに一分将棋に。継ぎ盤では明快な手段は示されておらず、白熱の戦いとなっています。
代えて△3五歩など、3八飛の脅威を和らげる手が継ぎ盤では調べられていましたが、広瀬八段は△7五桂と我関せずの攻めに出ました。少し前まで「終局が見えません」という声が上がり始めていましたが、またもや寄せ合いになりやすい局面になりました。時刻は18時頃、残り時間は両者ともに30分を切っています。








控室ではここで(1)△2五香から後手玉の上部開拓をする変化が調べられていましたが、実戦は(2)△7六歩と攻め合いました。継ぎ盤周りからは着手と同時に「堂々と!」の声が上がっています。このあとすぐに両者の持ち時間は1時間を切りました。



局面は終盤戦に入りつつあります。
「途中までは後手ペースだと思っていましたが、70手目△7三銀のところで△5三銀と引きにくかったということで、また79手目▲4六桂などの追撃もあり、少しずつ先手が盛り返していったという印象です。現局面で後手がどう指すのかが難しく、私は少し先手持ちですね。ただ形勢自体はまだまだ難しいと思います」(大石七段)