2020年2月

2020年2月21日 (金)

20200221b_2昼食休憩を挟む1時間21分の考慮で△3六歩(図)が指されました。直前の▲3七桂を否定しにいく手で、勝敗を分けると言っても過言ではないかもしれません。以下▲5五歩△4三銀▲4五桂と進んでいます。大盤解説会から取材本部に戻ってきた深浦九段は「駒が下がるのでよくないと解説した順です」と苦笑いを浮かべながら説明をしていました。今後の進行により注目を集めそうです。

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両対局者のお世話を担当しているホテル花月園の多和田さん(左)と玉澤さん(右)にお話を伺いました。

Dsc_0971 (広瀬八段を担当する多和田さんと渡辺明王将を担当する玉澤さん)

――ホテル花月園では多くのタイトル戦が行われています。タイトル戦のお手伝いは過去にもありますか。
玉澤さん「私は今回が初めてになります」
多和田さん「私は7年目になりますので以前にも経験があります。前回(第63期王将戦第3局・渡辺明王将羽生善治三冠・当時)は渡辺さんの担当をさせていただきました」

――普段は将棋とはあまり縁がないと思いますが、両対局者と接してどんな印象ですか。
玉澤さん「渡辺さんの担当をさせていだだいております。初めてということもあって、すごく緊張しています。対局室の空気も張り詰めていますし」
多和田さん「今回は広瀬さんの担当をさせていただいております。今朝も朝食をお持ちしたのですが、とてもラフな感じでした」

Dsc_0524 (広瀬八段にお茶を出す多和田さん)

――どんなことを心掛けて接していますか。
玉澤さん「なるべくご迷惑をお掛けしないように気をつけています。対局室の雰囲気がとてもズキズキしていますね。自分の立ち居振る舞いが勝負に影響してしまわないか心配です」
多和田さん「静まりかえっている場所なので、なるべく音を立てないように注意しています。緊張して、とても広瀬さんの表情を見る余裕はありません。配膳回りだけを見ています」
玉澤さん「私はおやつ(2日目午前)を出したときに渡辺さんと目が合って。すぐに視線を外しました。兄が将棋が好なので自慢できます(笑)」

Dsc_0522 (渡辺明王将にお茶を運ぶ玉澤さん)

Dsc_1025 (広瀬八段が先に入室)

Dsc_1030 (信玄袋から扇子を取り出す)

Dsc_1032 (続いて渡辺明王将がやってきた)

Dsc_1036 (メガネのレンズを拭いて掛け直す)

Dsc_1060 (両雄が向かい合い、緊迫感が増す対局室)

Dsc_1081 (盤上を見つめる広瀬八段)

Dsc_1071 (険しい表情を浮かべる渡辺明王将)

Dsc_1083 (13時30分になり、午後の戦いが始まる)

20200221a_312時30分、この局面で渡辺明王将が21分使って昼食休憩に入りました。ここまでの消費時間は▲広瀬5時間56分、△渡辺5時間4分。昼食の注文は広瀬八段がポークソテー、渡辺明王将が親子重でした。対局は13時30分に再開します。

Dsc_0994 (広瀬八段が注文したポークソテー)

Dsc_0995 (三島山麓豚が使用されている)

Dsc_0989 (渡辺王将が注文した親子重)

Dsc_0990 (広瀬八段が昨日の昼食で注文していた)

ホテル花月園では、これまで多くのタイトル戦が行われてきました。2階のエレベーターホール前には棋士の扇子やサイン、対局写真がたくさん飾られています。

Dsc_0419 (2階エレベーターホール前に展示されている将棋と囲碁のコーナー)

Dsc_0404 (立会人を務める深浦九段の対局写真も飾られている)

Dsc_0406 (花月園では囲碁のタイトル戦も行われている。来週は囲碁の棋聖戦が打たれる)

Dsc_0411 (谷川浩司九段が21歳の史上最年少名人となったのもホテル花月園である)

10時30分、両対局者におやつが運ばれました。広瀬八段がフルーツ盛り合わせ、ホットコーヒー。渡辺明王将がモンブラン、ホットコーヒー。ケーキは箱根町のラッキィズカフェのものです。

Dsc_0954 (広瀬八段の注文したおやつ)

Dsc_0960 (フルーツ盛り合わせ)

Dsc_0961 (渡辺明王将の注文したおやつ)

Dsc_0964 (モンブランは地元箱根町のラッキィズカフェのもの

対局場のホテル花月園では本日11時から大盤解説会が行われる。解説は深浦康市九段、中田宏樹八段。
当日は小田原駅西口(北条早雲銅像下)⇔ホテル間の送迎バスが運行される。(定員28名。予約制。小田原駅発 10:00)
送迎バスは、お電話での予約に限りますのでご注意ください。詳細はホテル花月園のホームページをご覧ください。
 
【ホテル花月園HP】
https://hotel.kagetsuen.net/