2020年1月

2020年1月26日 (日)

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Img_2602(最後は笑顔もあった)


本局の中継ブログは以上となります。
第3局は2月8、9日(土、日)栃木県大田原市「ホテル花月」で行われます。ご観戦いただきまして、誠にありがとうございました。

Img_2535(インタビュー開始前の様子)
Img_2554(勝った広瀬章人八段のインタビュー)

--1日目の形勢判断は。

広瀬 大長考(59手目▲1五歩)の辺りは、何か攻めがあるのではないかと考えていましたが、組み合わせが難しかったです。成算があったわけではありませんが、待つ手も難しいと思ったので決断する時間でもありました。

--対局再開から馬を作り合いました。先手の攻めが細いという控室の声もありました。

広瀬 79手目の▲3四香を打って、簡単には攻めが切れないかなと。ただ、具体的に寄り筋を見つけるのも大変で、難しいと思っていました。

--92手目△6五同馬に対して、飛車を切って勝負したところの心境は。
広瀬 本譜の順になるかなと思っていました。97手目の▲6二銀の局面は、自分の中で少し勝っているかなという読みで、後手に受けがなければ勝ちの変化が多いと思いましたので、決断しました。

--次戦の抱負。
広瀬 1勝1敗で五番勝負の形になりました。3局目以降も頑張りたいと思います。
Img_2570(敗れた渡辺明王将のインタビュー)

--全体を振り返って。
渡辺 封じ手のところでちょっと迷っていました。ひと晩悩んで、結果的にまずいほうを選択してしまったのは残念です。悩んでいたのは本譜の△8四角(68手目)と△6五同歩です。△6五同歩も成算がなく指せなかったですが、本譜はもっと悪化しました。そのあとはチャンスがあまりなかったと思います。

--先手の飛車を追って千日手の変化も考えられました。
渡辺 千日手を狙っても打開されてしまうので、つらい局面だと思っていました。

--△6五同馬の局面はどのように考えていましたか。
渡辺 1一に馬を作られてからはずっと苦しいです。何か勝負になる順があればいいかなと思っていました。91手目の▲6五桂に△7六歩も足らず、あそこは勝負手もないかなと思っていました。

--第3局に向けて。
渡辺 月も変わりますし、また仕切り直して精一杯戦えればと思います。

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第69期大阪王将杯王将戦七番勝負第2局は、117手で広瀬八段が勝ちました。終局時刻は17時29分。消費時間は▲広瀬八段7時間9分、△渡辺王将7時間17分。

この結果、七番勝負は1勝1敗。第3局は2月8、9日(土、日)、栃木県大田原市「ホテル花月」で行われます。

2020012594控室では、上図から▲2六飛で先手十分といわれていましたが、広瀬八段は強く▲2二馬と金を取って踏み込みました。以下、△2四歩に▲6二銀と打って、後手玉に詰めろをかけつつ、7三の金取りを狙っています。桐山九段は「広瀬さんが最短の寄せを目指しましたね」と述べています。
Img_2530(いよいよ最終盤。濱田高槻市長も検討を見守る)

大盤解説会場から徒歩5分ほどの場所には、キリシタン大名の高山右近が城主を務めたことで有名な高槻城の跡地があります。高槻城三の丸遺跡からは将棋駒が出土しています。
Img_2091(かつてはここに大きな城があったという)
Img_2092(城跡の眼前には公園が)
Img_2098(いまは憩いの場として利用されている)
Img_2099(高山右近像)

2020012591上図は先手が1歩を取りながら桂を跳ねた局面です。 これを(1)△同馬なら▲2四飛△同歩▲4三銀で詰めろがかかります(変化図)。
2020012595控室では、91手図から△8六歩▲7三桂不成△8二飛▲8六歩△8七歩▲同金△8五歩に▲8一桂成△同飛に▲4三銀(変化A図)という変化を調べましたが、最後の銀打ちが詰めろになっておらず、この変化は後手がいいとされています。20200125101_2渡辺明王将は1時間19分の長考の末、強く桂を取りました。控室では先手よしとされた変化ですが、有効な策を見つけたのでしょうか。
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