2016年2月

2016年2月15日 (月)

検分後に行われた揮毫です。郷田王将の揮毫は「涼風」「優駿」「渾身」など。移動時間の都合で、羽生名人は撮影できませんでした。

A290 (郷田王将)

A298

A314

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検分は17時5分から行われました。特に問題はなく、数分で終了しています。本局で使用される駒は掬水作の水無瀬書です。

A276_2 (郷田真隆王将。第4局は後手番)

A253 (羽生善治名人。第4局は先手番)

A281

A283

A277 (検分終了)

まずは弘前大学教育学部附属中学校を訪問。同校は県内で唯一、囲碁将棋部があります。郷田王将と羽生名人は30分ほど滞在し、部員のみなさんと交流しました。両対局者からは色紙、第65期王将戦弘前市実行委員会からは、リンゴの木で作った駒と駒箱が同部に贈呈され、最後に質疑応答の場が設けられました。「いちばん印象深い対局は何ですか」との質問には、郷田王将は初めてタイトルを獲った対局、羽生名人はプロデビュー局と答えていました。

ちなみに羽生名人のデビュー戦は、第36期王将戦一次予選でした。対戦相手は宮田利男六段(現八段)。当時の感想戦写真をこちらで見ることができます。

A075_2 (弘前大学教育学部附属中学校)

A085 (棋士との対面)

A081 (深浦九段と田村七段も出席した)

A096 (将棋部部長の三浦さんから部の活動報告)

A113 (郷田王将「人の縁を大事にして、将棋を通じて何かを見つけてください」)

A118 (羽生名人「将棋はいろんな人とできるゲーム。これからも続けてください」)

A139 (揮毫色紙のプレゼント)

A150 (リンゴの木で作った駒と駒箱。リンゴは弘前市の「市の木」だ)

A177 (対局者二人に質問する部員のみなさん)

A179 (それに答える二人)

A207 (最後に記念撮影)

A040_2 (学校をあとにして対局場に向かう。外は雪が舞っていた)

羽生名人をはじめとする関係者一行は11時20分、東京発「はやぶさ17号」で新青森へ。田村七段は途中駅から乗車、郷田王将は別便で先入りして新青森駅で合流しました。新青森からはバスで移動。16時ごろに弘前市に入りました。

A019 (東京駅のホームで新幹線を待つ、羽生名人)

A009 (同じく深浦九段)

A004

A002

A035 (新青森駅を出ると雪景色。青森は15日から17日にかけて雪予報)

第65期王将戦七番勝負は2月16・17日(火・水)に第4局が行われます。ここまでの成績は郷田真隆王将が1勝、挑戦者・羽生善治名人が2勝。第4局の先手は羽生名人です。

対局場は青森県弘前市「弘前市民会館」。持ち時間は各8時間。対局開始は両日とも9時。立会人は深浦康市九段、副立会人は田村康介七段、記録係は小高悠太郎二段、観戦記者は加藤昌彦指導棋士六段。Twitterアカウントの日本将棋連盟モバイル(@shogi_mobile)で1日目を解説するのは神崎健二七段、2日目は千田翔太五段です。

王将戦の主催はスポーツニッポン新聞社と毎日新聞社。協賛は(株)囲碁将棋チャンネル。第4局の後援は弘前市、弘前市教育委員会、第65期王将戦弘前市実行委員会です。

第4局の中継は棋譜コメントを八雲、ブログを牛蒡が担当します。よろしくお願いします。

【スポニチ Sponichi Annex】
http://www.sponichi.co.jp/
【王将戦 - 毎日新聞】
http://mainichi.jp/oshosen/
【弘前市】
http://www.city.hirosaki.aomori.jp/index.html

A324

2016年2月 5日 (金)

20160205_ooban5 (対局者が大盤解説会に入って、感想戦を行った)

20160205_ooban7 (中盤の変化を検討した)

20160205n_2第1図は31手目▲6八玉の局面。封じ手は△1四歩でしたが、本命だった△4四歩は▲3四銀△2四歩▲3五角△4二角▲4四角(参考図)という具合に、△4四歩をとがめられる恐れがありました。

20160205o

20160205q第2図は36手目△4五銀の局面。ここでは▲7九玉もあったとのこと。実戦の▲3八金は△3三桂▲3六銀△5四銀(参考2図)の変化に備えた意味がありました。▲3八金で▲5八金だと陣形に隙が多いのが気になります。参考2図からは▲1七桂から桂をさばく手段があります。

20160205p

20160205_ooban6(感想戦を立会人として見守り、棋士として見つめる)

20160205_syukyoku1 (終局直後の対局室の様子)
20160205_habu9 (勝った羽生名人)
羽生名人「本譜はありそうでない形で、まとめ方がわかりませんでした。封じ手のところでは有効な手が見えませんでした。それで端歩を突いたのですが、こうするのでは、通常よりも少し損したと思っていました。
(2日目の進行について)こちらからはあまり指す手がないので、実戦の手順くらいかなと思っていました。たぶんいい勝負だと思います。
△8五桂(72手目)と桂を使えるようになって面白くなったのではないかと思います。その前はいろいろな手があったと思います。△2六桂(90手目)と打ったところは少し残っているのではないかと思いました。(第4局以降も)同じように頑張ります」
20160205_gouda5 (敗れた郷田王将)

郷田王将「最近見ない古い将棋でした。手探りでよくわかりませんでした。通常の形よりも少し得なのでいい変化があるかなと思いました。それで考えてみましたが、自信がある手順がちょっと。▲3八金と上がるようでは苦しいです」
「▲5五銀(49手目)で▲7五銀の声もありましたが、いかがでしたか」と質問されると、郷田王将は「あっ、▲7五銀……、そんな手がありましたか。(羽生名人も「あぁー」と声を出す)。あー、そうか、全然浮かばなかったなるほど。そうか、そういう手があるのか、それを考えないといけなかったかもしれません。銀を中央に使う手しか浮かばなかったんですけど、飛車が駒の裏にこられてしまったのでそうやるべきだったかもしれません。本譜はわかりやすく負けになりました。また巻き返せるように頑張りたい」と話していました。

20160205_gouda6 (49手目▲5五銀で▲7五銀はどうだったかを聞かれると、その手を考えていなかった郷田王将は天を仰いだ)

20160205agoudahabutouryou第65期王将戦七番勝負第3局は、100手で羽生名人の勝ちとなりました。終局時刻は18時58分。消費時間は▲郷田7時間59分、△羽生7時間55分。
シリーズ成績は羽生名人の2勝1敗となりました。第4局は2月16・17日に青森県弘前市「弘前市民会館」で行われます。

(紋蛇)