2015年1月

2015年1月12日 (月)

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図の一手前に「△5七銀不成(詰めろ)なら先手はどうするのだろう」そう控室で言われていたところで、郷田九段は△2七歩と打ちました。


「なんで銀じゃないんだ。そうか……。△5七銀不成には▲2三飛成△同玉▲2四歩△同銀▲4三飛△同金▲4一角に合駒が飛車しかない(参考図)から詰みなんですね。そうか詰めろだったのではつらい。△2七歩には▲同飛で△6八桂成から清算しても角一枚ではどうしようもないし、これは先手がはっきり勝ちになったんじゃないかな」(青野九段)

Img_1697山内一豊の像。

96検討では▲6七玉と上がって受けの方針を続けると見られていたところで、渡辺王将は▲2四歩と攻め合いに転じました。それを見た郷田九段は△6六銀としばります。これは次に△7七金▲6九玉△6八桂成▲同飛△同金▲同玉△6七飛▲7九玉△4七飛成の狙いです。

大盤解説では、受けはないので先手は攻め合いに出ると断言されていました。先の変化の△4七飛成の局面の先手玉は詰めろでないため、そこでうまい決め手があれば先手が勝てそうと言われています。ただし、後手に駒を渡すと先手玉は途端に詰んでしまう恐れが高いため、まだ簡単ではありません。いずれにしろ渡辺王将が攻め合いに出たため、局面は終局に向かって動き出しています。

Img_1835大盤解説は神谷八段と中座七段が担当。図は現局面で仮に▲8一飛と下ろした場合の変化図だ。

Img_183817時過ぎの対局室の様子。間もなく日が暮れる。

8716時頃の局面。少し前まで後手が攻めを続ける手段が見つからないと言われていましたが、図の▲7七銀の局面では、後手の攻めが意外にうるさいと見解が変わっています。形勢判断としては「先手がいいはず」と言われていますが、その具体的な手段が分からないという状況です。

Img_182716時過ぎ、ニコニコ生放送に電話出演する中座七段。木村一基八段と意見を交換している。

Img_182415時20分過ぎの控室では、神谷八段と中座七段が検討中。
「攻めが細いなー、細い!」(神谷八段)
「うーん……細いですねえ」(中座七段)

Img_1823煮詰まる検討陣をねぎらうおやつが提供された。

81図は15時20分頃の局面。
焦点は後手の攻めが続くか否かに絞られています。後手玉が手つかずで堅いため、続きさえすれば後手が優勢。しかし、攻めが細く、切れる可能性が高い。控室の検討では、後手の攻めが続く順がいまのところ見つかっていません。

Img_1712掛川城天守閣に展示されている軍配。第1局の軍配は果たしてどちらに上がるか。

Img_1736二の丸に建てられた掛川城の御殿。藩主の住まいであり、藩士の仕事場でもある。

Img_1737広い邸内は全て観覧できる(天守閣見学とセットで入館料が必要です)。

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Img_1732火縄銃。他にも甲冑や武器などが展示されている。

Img_1734大名行列の模型。

掛川城御殿について詳しくはこちらのページをご覧ください。

Img_1757郷田九段が先に待っていた。13時12分頃に入室したという。

Img_1771渡辺王将はほぼ定刻に入室。

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Img_1777再開して間もなく▲8七金を着手。

Img_1786郷田九段も間をおかずに△7五歩を着手した。

Img_1785いよいよ決着に向かう2日目午後の戦いが始まった。