2013年3月
本局の棋譜
感想戦(2)
感想戦(1)
終局直後
(終局直後の様子)
(インタビューを受ける渡辺明新王将)
【渡辺明新王将インタビュー】
――1日目はどのように見ていましたか
「(相手に)工夫をされる展開だったので……、後手番なので極端に悪くならないようにと考えていました」
――封じ手の△5六歩は控え室の予想にはなかったのですが
「そうですね、△6四歩と迷ったんですけど……。ちょっと▲6五歩を突かれたところなので△6四歩はちょっとずうずうしいかと思って、やりにくかったですね」
――2日目午前中の進行については
「7三の銀が残ってしまったので、ちょっとよくわかりませんでした」
――午後は後手が攻める展開でしたが
「うーん……、(変化の中に)7三銀が使える展開が結構出て来たので、まずまず戦える気がしました」
――どのあたりで良くなったと思われましたか
「(104手目)△8五歩を突いたあたりで一手早いような気がしました」
――本局の印象をお願いします
「中盤がかなり手が広かったので、そのあたりが難しい将棋でした」
――本シリーズについて、力を出せた感じでしょか
「あ、はい。もちろんこういう結果を出せたので、満足いく内容だったと思います」
――本局の他に印象に残る将棋は
「前局(第4局)が際どい将棋でしたので、それを拾えたのは大きかったと思います」
――王将となった感想はいかがですか
「伝統のあるタイトル戦ですから、獲得できて嬉しいです」
――これで二冠となりました
「そうですね。維持できるように頑張って行きたいです」
(力尽きた、佐藤康光前王将)
【佐藤康光前王将インタビュー】
――矢倉は予定ですか
「そうですね。矢倉でやってみようと思っていました」
――1日目はどのように見ていましたか
「角を押さえ込まれないように気を付けながらやったのですが、よくわからなかったです」
――2日目午前中の進行については
「まあ、このぐらいでしょうがないのかなと」
――午後は守勢に回りましたが
「勝負どころで最善を尽くせなかったかなと」
――どのあたりに問題があったと思いますか
「長考して(93手目)▲2四歩~▲6七角と打ちましたが、そのあたりで他の手がなかったかと」
――今期のシリーズを振り返っていかがですか
「敗れた将棋を振り返ってみると、勝負どころで最善を尽くせなかったところがあり、ファンの皆様には申し訳ないと思っています」
――今後に向けてひとこと
「結果は残念ですが、また一から頑張りたいと思います」
渡辺が4勝1敗で王将奪取
第62期王将戦第5局は、124手まで渡辺竜王が勝利。終局は7日18時24分。消費時間は▲佐藤7時間59分、△渡辺7時間17分。
この結果七番勝負は渡辺竜王の4勝1敗となり、初の王将を獲得。竜王と合わせて二冠となりました。
終局近し
東京の大盤解説会
渡辺竜王長考
図は佐藤王将が長考で▲6七角を打ったところ。3四の地点を狙いながら自陣にも利かせる攻防手です。対して渡辺竜王は少考で△5六桂と打ち、以下▲同角△同飛成▲7九玉(次図)と進みました。
「二枚換えですが、後手は角を手に入れて攻めが切れる心配はありません」(真田七段)
「▲7九玉で次の手は△5九竜だと思います。▲8八玉のところが手の広いところで、△7九角と打って成り返るか、△3五角と打って△7九角成とするか、あるいは単に△1九竜と取っておくか。そのあたりをじっくり考えているのでしょう」(真田七段)
(92手目△5九飛で指せるとみた渡辺竜王の読みが素晴らしい、と大盤解説会で語る真田七段)
(吉田五段が解説会にゲストで飛び入り参加した。「後手がいいと思いますが、具体的にどう決めるかは難しい」とのこと)