2015年7月 8日 (水)

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羽生 かなり力戦調の将棋で、でも端を攻められる形になってしまったので、つまらないことになってしまったかなと思って指していたですね。角と桂香の交換になって、こっちはキズが多いので、自信のない将棋でした。

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広瀬 持ち駒に歩が足りなくて、中盤くらいから歩の枚数が足りないことをずっと懸念していたんですけども、それが最後の最後まで、途中は角と桂香の二枚換えで判断が難しいような気がしていたんですけども、最後のほうは歩が足りない将棋だったという気がしています。

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松尾 どのあたりがポイントだったのでしょうか。気になる手はありますか。
広瀬 ▲6三角と打った手がよくなかったかなと。
羽生 ▲8五歩で、ええ。
広瀬 後から打ったんですけど、先に。迷ったんですけども。
松尾 じゃあ(局面を)作りますね。

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広瀬 この局面は少し自信があったんですけども、数手進んだら全然ダメになっちゃって。実戦は単に▲6三角と打ったんですけど、その前に▲8五歩と入れて。
羽生 ここだともう取るしかないです。
松尾 このあたりは羽生さんはどう考えていましたか。
羽生 ちょっと悪そうなので、粘って指すっていう将棋なのかな、と思って。ええ。
松尾 お二人とも先手がちょっと指せそうという感覚で見られていたんですかね。
羽生 △7四銀打じゃあちょっとつらいかな、でも攻め合いもできないししょうがないかな、という。
広瀬 これで(▲8五歩△同歩を入れて)▲6三角ならだいぶ展開も変わってくるような気がするんですが、どうですかね。
羽生 どうするんでしょうかねえ。なんかしょうがないから打つ(△8四香)んですか。ただ、ここに打ってしまうと攻めに使えないので、ゆっくり来られたときにどうなるか。
松尾 本譜は△9四香から△9八歩成で、ちょっと先手の攻めが遅れた感じでしたか。
羽生 そうですね。ここが一番怖いところなので、長期戦になるのかなと思ってたので、このあとどうやるかわからないですけど。
広瀬 この3九角を使える展開にしたいですけど、なかなか実現させるのは難しそうです。
松尾 実戦はその後も難しい戦いだったと思うのですが。
広瀬 難しくなる順もあったと思うんですけど、角を打っちゃったので逆に目標になっちゃったというか、常に角を取られる変化を気にしながらだったので、飛車の逃げ場所も難しくて、そうこうしているうちに悪化してしまったかな、という気がしました。

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■羽生善治王位

―― お疲れさまでした。一局を振り返っていただきます。羽生王位、序盤から中盤はいかがでしたでしょうか。
羽生 バランスが取れているんじゃないかと思っていたんですけど、ちょっと押さえ込まれている形になってしまったですね。なんか中盤で少し問題があったかもしれないですね。
―― その後角と桂香の二枚換えになったのですが、そのあたりの分かれはいかがだったでしょうか。
羽生 少し悪いんじゃないかと思って指してました。こっちはキズが多いので。あまり自信なかったですね。
―― 終盤はいかがでしたか。
羽生 端にと金ができて難しくなったんじゃないかと思ったんですが。うーん。途中まではどうなっているかよくわからなかったですね。
―― 勝ちを意識された局面は。
羽生 そうですね、△7二桂と打って。

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■広瀬章人八段

―― 続いて広瀬八段、お願いします。横歩取りから押さえ込むような展開になったのですが。
広瀬 戦いを起こさないようにしていればギリギリ均衡が保たれるかな、という感じでした。
―― その後角と桂香の交換になったのですが。そのあたりはいかがでしたか。
広瀬 しょうがないかな、という気がしたのですが、そんなに悪くないかな、という気がしていました。
―― そのあとで攻めていったところではいかがでしたか。
広瀬 ちょっと、うーん……攻め方というか、局面のバランスの取り方を間違えたというか。と金を作られて急に景色が悪くなった気がしました。

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第56期王位戦七番勝負第1局は、羽生王位が122手で広瀬八段を破り、幸先の良い勝利を挙げました。終了時刻は18時45分。消費時間は▲広瀬7時間59分。△羽生7時間28分。第2局は7月21・22日(火・水)に、兵庫県神戸市「中の坊瑞苑」で行われます。

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△6五歩(図)で先手の角が詰んでいます。先手は玉が不安定なので、角を渡すと反動がきつい形。形勢は後手優勢と言われています。

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(18時35分ごろの対局室カメラの映像。羽生王位が席を外している。広瀬八段の表情は険しい)

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(しばらくして羽生王位が戻ってくる)

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先手が攻勢をとって好調と言われていましたが、流れが傾きつつあるようです。大盤解説会の松尾八段は「△9四香~△9八歩成の2手が入ったのが大きいですね。先ほどまで危機が迫っていた後手玉は、かなり攻めが緩和されています」。室田女流二段が「景色が変わりましたね」と言うと、松尾八段は「確かに、景色が変わった感じがします」とうなずいていました。

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(解説会場で配られている銀波荘の案内。今日対局が行われている「観月」に宿泊できるプランもある)

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羽生王位が△7七角成(1図)と角を切って踏み込み、激しい流れになっています。

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2図は広瀬八段がお返しの攻勢をかけたところ。現地では先手好調との見解。Twitter解説の宮田敦六段は「先手は調子よさそうですが3九の角が使えていないのが気になります」という見方です。大盤解説会では福崎九段と松尾八段が解説中。松尾八段は「先手を持ちたい」。軽妙な掛け合いでたびたび笑いが起こっていました。

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松尾 私、先生の将棋に憧れていて、勉強したんですよ。
福崎 あらそう。松尾さんも今日は服がよくお似合いで。声も渋いし、声優さんみたいやね。

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福崎 羽生王位と広瀬八段、どちらを応援しているか手を挙げていただきますか。はい、数えて。
松尾 ほとんど同じですね。羽生王位のときに結構たくさんの方が手を挙げられていたんですが、広瀬さんのときも同じくらいの方が手を挙げられました。

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福崎 先手がちょっとよさそうですかね。先手がこうやったら松尾さんどうするの。
松尾 ちょっと厳しいですけど、こうしますか。
福崎 あ、本気で僕を倒しに来てるな。じゃあこうやって、ほんとは成るとこやけど今日は成らんといてあげる。
松尾 先生どっちでも同じです。参りました。
福崎 先手がやれそうですかね。急所に手がついてますよね。