第56期王位戦七番勝負第4局
感想戦写真
両対局者のコメント
◆羽生善治王位の終局後のコメント◆
── 本局を振り返っていかがでしたか?
羽生 △4三銀(32手目)は見たことがない手だったのですが、どう対応するのか悩ましかったです。うまく解れて手ができるかどうかの勝負なのかなと。
── 後手から動いてきた将棋でしたが?
羽生 (今日の)昼食休憩の辺りは、打開できたのですが、あまりハッキリしない局面かなと。
── どの辺りで優勢を意識しましたか?
羽生 ▲5三歩(77手目)と垂らす筋が見えて、桂が使える展開になったのでイケるかなと思いました。
── 本局の勝利で通算勝数が単独歴代2位(1321勝)となったことについては?
羽生 特にそれを目標にしていたわけではなかったのですが、形としてそうなれて良かったなと思います。
── 歴代1位の(故)大山康晴十五世名人の記録(1433勝)については?
羽生 それは途方もない記録なので。まあでもそれを目指して頑張っていきたいと思います。
◆広瀬章人八段の終局後のコメント◆
── △4三銀(32手目)の新構想の分かれはいかがでしたか?
広瀬 (△4三銀は)新構想というより予定変更の作戦になった感じですね。手損と陣形の差が響いて、勝ちづらい将棋になってしまいました。
── そのあと自ら動いていきましたが?
広瀬 桂を活用されるとジリ貧になるので、動かされた感はあります。
── 仕掛けてからの形勢はどう感じていましたか?
広瀬 思ったよりも悪くて、気がついたら収拾がつかなくなりました。
終局直後
羽生王位勝利 通算勝数が歴代単独2位に
羽生善治王位に広瀬章人八段が挑戦する第56期王位戦七番勝負第4局は、16時7分、83手で羽生王位の勝ちとなりました。消費時間は▲羽生6時間22分、△広瀬6時間52分。この結果、七番勝負は羽生王位が3勝1敗で防衛に王手をかけました。勝った羽生王位は通算1321勝目をあげ、歴代単独2位になりました。
第5局は26・27日に徳島市「渭水苑」で行われます。