*お~いお茶杯第62期王位戦七番勝負第5局 Feed

2021年8月26日 (木)

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お~いお茶杯第62期王位戦七番勝負は、4勝1敗で藤井王位が防衛に成功し、幕を閉じました。第63期の予選はすでに始まっています。藤井王位の挑戦者は果たして誰でしょうか。今後も引き続き、王位戦をお楽しみください。
以上で、お~いお茶杯第62期王位戦七番勝負のブログ更新を終了します。
ご観戦いただきまして、誠にありがとうございました。

対局から一夜明けて、再び記者会見が行われました。

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Img_3858(防衛から一夜明けての思いを話す藤井王位)

■藤井王位の会見■

――ほかのタイトル戦など重要対局が続く忙しい夏でした。2021年の夏はどのようなものでしたか。
 対局が多かったですが、去年の経験を生かして状態を維持して指すことができたと思っています。防衛戦は初めての経験で、成長できたと感じています。これからも叡王戦や竜王戦がありますので、引き続き、気を引き締めてやっていきたいと思っています。

――課題点として挙げられている序盤を、どのように修正していくのかを教えて下さい。
 今回のシリーズでは序盤の細かな形の違いをうまく把握できていない部分があったと思うので、すぐに改善するというのは難しいですが、序盤の様々な形の認識力を高めていく必要があると感じています。戦型選択も含めて、どのような展開になってもしっかり対応する力をつける必要があると感じました。

――初防衛から一夜明けての感想は。
 防衛という結果を出すことができてホッとした気持ちがありますが、今後も重要な対局が続きますので、番勝負の経験を次につなげていくということを考えなくてはいけないと思っています。

――家族や師匠に防衛の連絡はされましたか。
 家族と師匠には電話で話をしました。「おめでとう」といっていただけましたが、結果については普段から話をしませんので、今回の結果とは関係のない話が多かったです。

――豊島竜王に対しての印象の変化は。
 タイトル戦の番勝負で初めて対戦することで、作戦面の精度の高さを感じました。うまく勝ちに結びつけられる対局も多かったので、その辺りも含めて叡王戦第5局を戦いたいと思っています。

――徳島のファンに向けて。
 初めての徳島対局で、対局場の渭水苑様はとても素晴らしいところで、気持ちよく対局ができました。また来年を楽しみにしていますし、徳島の将棋ファンの方に熱戦を見ていただけるよう、頑張りたいです。

――タイトなスケジュールが続いています。体調管理については。
 対局が続いていますが、去年のほうが今年よりも過密だったように思うので、いい状態でこれまでできているのかなと思います。対局の合間にしっかり休むように心がけています。

――今後の抱負について。
 まずは叡王戦と竜王戦で、充実した内容にできるようにと思います。序盤の指し方が課題として残っていると思いましたので、今回の番勝負の経験を踏まえて改善できるよう取り組んでいけたらと思います。

――豊島竜王の△8四飛について思ったこと。
 △8四飛に代えて△6六銀を本線で読んでいました。△8四飛は意外でしたが、流れを断ち切っても最善を追求するという姿勢が、豊島竜王の強さのひとつだなと思いますし、自分も見習わなければいけない部分だと思います。

――第1局の敗戦は、このシリーズでどのように生かされたのか。
 第1局は豊島竜王にうまく指されて完敗でした。序盤で甘い手を指すと、一気に持っていかれてしまうと感じたのでそういったことがないように、序盤から慎重に指そうと思っていました。

――▲7四歩の局面で2時間を超える長考を見せました。この長考に込められた思いは。
 難しい局面で、指し手によっては激しくなる可能性があると思っていました。▲7四歩というのはいちばん自然な手ではありますが、激しい変化になったときにバランスが取れているのか際どいと感じたので、時間をかけてでも考えなければならないと思っていました。

――タイトルホルダーとして将棋を指す思いについて。
 今シリーズ、大変な状況で素晴らしい環境を整えてくださった関係者の方に非常に感謝しています。対局者として盤上で全力を尽くすことしかないと思っていたので、しっかり集中して熱戦にできればいいなと思って指していました。

2021年8月25日 (水)

場所を移して、王位防衛の記者会見が行われました。
Img_3759(花束を受け取る藤井王位)
Img_3785(色紙を手に記念撮影を行った)
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■藤井王位の会見■

――豊島竜王とタイトル戦で初対戦となり、事前にはいろんな戦型を楽しんで指したいというお話もありました。二日制をじっくり戦ってみてのご感想をお願いします。

 序中盤でリードを奪われることが多く、2日制の長い対局だと差が大きく出てしまって、こちらにとって課題が多いシリーズだったと思います。戦型的には相掛かりが3局、角換わりが2局で、それぞれ違う展開になり、豊島竜王と長い持ち時間でいろいろな将棋が指せたのは大変勉強になりました。

――盤外で印象に残ったことはありますか。

 第4局で予定されていた嬉野市の対局が、大雨の影響で変更になってしまって、コロナ禍もあって大変な情強のなか、対局の環境を整えていただいたことに感謝しています。第2局の北海道対局では初めて電車に乗ることもできて、充実した番勝負になったと思っています。

――対戦会場の渭水苑は第37期の王位戦以来の会場となる伝統的な場所です。対局場の感想などがあれば教えて下さい。

 とても落ち着いた雰囲気の対局室で、ご飯もとてもおいしくいただきました。2日目の午後に鉄火丼をいただいたのですが、対局のときは丼ものが食べやすいですし、とてもおいしかったです。

--徳島のファンに向けて。
 ご観戦いただきましてありがとうございます。徳島の地で防衛という結果を出せて、うれしく思っています。
また来年もありますので、いい将棋をお見せできるように精一杯精進していきたいと思います。

――7月の棋聖戦に続いての防衛となりました。渡辺明名人、豊島竜王を相手に防衛した感想は。
 結果を出すことができてホッとした気持ち以上に、トップのお二人に番勝負で対戦する機会を得て、自分に足りない部分が新たに見つかりましたので、それを今後に生かしていければと思います。

――叡王戦に向けての決意は。
 第4局が完敗という結果だったので、最終局は悔い将棋を指せるようにと思っています。

――今期王位戦のなかで印象に残っている将棋は。
 今回の番勝負は、早い段階でこちらが気づいていない好手を指されて、リードされる展開が多かったです。特に第1局の△7四歩~△7三桂~△3三桂と2枚の桂が跳ねてくる構想が印象に残っています。

――着つけの練習もされていたようにうかがいました。

 着つけにかんしては、番勝負が始まる少し前から練習を始めていまして、今回の番勝負をとおして、ある程度覚えられればと思っていました。一応着られるぐらいにはなりましたので、いい経験になった気がします。

――豊島竜王との今年の公式戦結果は7勝3敗と大きく勝ち越しています。ご自身ではどのように思っておられますか。

 内容的には苦戦が多いので、まだまだこちらが足りない部分が多いと思っています。今年1月の朝日杯で初めて勝つことができて、それがいいきっかけになってこの番勝負に臨めたのかなと思います。
豊島竜王とは奨励会のときに将棋を教えていただいたこともあり、タイトル戦の番勝負で戦えるのはうれしいですし、今後もそういう機会を多く持てるように頑張りたいです。

――普段の研究でディープラーニング系のソフトを導入した効果は感じられましたか。

 今回の王位戦は序盤で先行されてしまう展開が多かったので、ディープラーニング系のソフトの強みというのを自分に取り入れるというのには、なかなかまだ至っていない、難しいのかなと思っています。昨年末くらいに、ディープラーニング系のソフトがこれまでのソフトに並ぶくらい非常に強くなっているという話を聞いたので、使ってみようかなと思いました。

――全国のファンにメッセージをお願いします。

 いつもご観戦いただきまして、ありがとうございます。今回の王位戦では、自分の将棋の課題が多く見つかったかなと思うので、それを今後に生かしていければと思います。ABEMAトーナメントや他の棋戦も中継されるかと思いますので、そちらもどうぞよろしくお願いします。

インタビューのあと、両対局者は大盤解説会場に移動し、ファンに向けてあいさつを行いました。
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Img_3643(一礼して会場に入室する藤井王位)
Img_3647(藤井王位に続いて豊島竜王も)
Img_3654(封じ手の局面を振り返る藤井王位)
Img_3658(「不甲斐ない将棋にしてしまった」と豊島竜王)

終局後、両対局者にインタビューが行われました。

Img_3632(終局直後の対局室)

■防衛を決めた藤井聡太王位へのインタビュー

── 本局は▲7六歩(27手目)で、ご自身の前例を離れました。
藤井 そうですね。代えて▲8七歩も読んだのですが、本譜は▲7六歩と突いてみようかなと。

── ▲7四歩(41手目)は2時間超えの長考でした。
藤井 7筋、8筋の辺りが、こちらの厚みになるかキズになるかが際どく、考えても分からない変化が多かったです。

── 1日目の形勢はどのように見ていましたか。
藤井 △4二玉(42手目)に▲5八金と上がったのですが、単に▲7七銀とかで、もっと強くいく必要があったかなと。本譜は△4四角と上がられると、次の△3三桂を防ぐのが難しくて少し損をしてしまったかなと思いました。本譜は結果的に▲8八歩と受ける形になったので、あまりうまくいっていないのかな、という印象でした。

── ▲9七桂(51手目)と跳ねた局面は。
藤井 ▲9七桂に△6六銀と取り合う変化で、こちらの玉が寄らなければ、飛車を取れるのが大きいのかなと思っていました。

── 途中で銀得になりました。
藤井 駒得なので指せるかなとは思ったのですが、▲9七桂と跳ねた形がキズなので見通しが立っているわけではなかったです。

── 後手から端攻めをされたあと、飛車角交換になった辺りは。
藤井 ▲8二飛(65手目)と先手で打つ形になったので、その辺りはこちらの主張が多いのかなと思いました。

── 全体的に振り返って。
藤井 途中、かなり長考した場面がありましたが、その辺りでどう指すか分からなくて難しい将棋だったと思います。

── 4勝1敗で王位防衛となりました。シリーズを振り返って。
藤井 勝った将棋も苦しい場面が多かったので、内容的には押されていたと思います。今回の番勝負で自分の足りない部分も見つかったので、今後に生かしたいと思います。

■敗れた豊島将之竜王へのインタビュー

── ▲7六歩(27手目)に対して△8六歩と垂らしました。
豊島 そうですね。そこまで考えていた形のひとつで、▲7六歩に△8六歩を打たない変化もあると思います。それはそれで先手が▲2四歩と合わせて動いてくる感じで難しいのかもしれませんが、通常の形に比べて変化が増えるので、本譜の△8六歩と打ってみたい局面でした。

── △4四角(44手目)は1時間53分の長考でした。
豊島 ▲5八金(43手目)で先手玉が相当堅くなっていますし、▲2九飛の味がよいので、△4四角がよくなかったかもしれません。封じ手の局面では自信がなく、△4四角がよくなかったのか、その前がよくなかったのか分かりませんが、ちょっと悪いかな思っていました。

── △8四飛(52手目)はかなりの辛抱でした。
豊島 ▲9七桂と跳ねられて、はっきり駄目にしてしまいました。△7五銀(50手目)に代えて△2二銀でも自信は持てないですが、そうやっていれば形にはなっていたかもしれません。

── シリーズを振り返って。
豊島 中盤戦で難しい局面になって、いい手が指せなかったので、これから実力をつけていかないといけないと思います。

── 叡王戦第5局も残っていて、藤井王位との戦いが続きます。
豊島 そうですね。そちらは切り替えて頑張れたらと思いますが、王位戦に関しては競ったスコアにできなかったので、楽しみにしてくださっていた方に申し訳なく思っています。

書き起こし=夏芽記者
撮影=武蔵