第60期王位戦七番勝負第6局
大盤解説会場へ
終局直後の様子
【木村九段の談話】
―― 一局を振り返っていかがでしたか。
「ちょっと序盤、棒銀の使い方で苦労したので、あまり芳しくないと思ってやってました」
―― △7六歩(36手目)から△7七角と強襲されたあたりはいかがでしたか。
「常に自信が持てない、という展開でした。苦労が多い、勝ちにくいな、とずっと思ってやっていました」
―― どのあたりで手応えを感じましたか。
「最後、▲8四角(115手目)が詰めろになったので、こちらが少し余裕があるのかなと」
―― 中、終盤はどのように見ていましたか。
「駒得しているんですが、玉形が悪いので。ずいぶんプレッシャーのかかる場面が続いているなと。あまりいいとは思っていなかったです」
【豊島王位の談話】
―― 一局を振り返っていかがでしたか。
「端を突き捨てた(30手目△9五歩)のがやりすぎだったかなと。でも突き捨てないと他の変化の時に相手に手段を与えてしまうかなと思ったのですが、角交換したあとの▲7七金(35手目)がいい手で、端(の突き捨て)をとがめられた形になって。その後は自信のある局面がなかったような気がします。2日目の△3七角成(58手目)と取って▲6八玉のところは手が広いので、そこで何かもうちょっと頑張って、難しくする順があったかもしれないかなと。でも基本的にはちょっと悪かっったような気がしていました」
木村九段がフルセットに持ち込む
七番勝負第6局は木村九段が勝ちました。終局時刻は19時1分。消費時間は▲木村九段7時間54分、△豊島王位7時間59分。木村九段が持ち味を発揮して3勝目をあげ、フルセットに持ち込みました。第7局は9月25・26日(水・木)、東京都千代田区「都市センターホテル」で行われます。
残り時間が迫る
手数は100手を超えました。▲7四歩まで残り時間は▲木村18分、△豊島12分。
「大差なんですが、後手玉がすぐに詰むという将棋じゃないので、まだ投げないでしょう」と先崎九段。敗勢の将棋でも、最後まで最善を尽くすのが豊島王位のスタイルです。