2026年7月 5日 (日)

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Dsc03826

――△6五歩(50手目)の仕掛けから攻め合いになった。
伊藤 △4二金上(46手目)とした局面は指してみたい将棋でした。そこからいろいろな展開があると思いましたが、本譜は先手に積極的に指されました。▲4五桂(55手目)の局面で△4四銀は▲2九飛でわからなかったので、こちらもかなりのリスクがある展開ですが本譜で勝負してどうかと思いました。
――▲9二銀(69手目)から▲4九飛(71手目)のあたりは。
伊藤 △8五歩(68手目)と継ぎ歩をした局面は、先手にいろいろありそうで、何を指されるかと思っていました。▲9二銀から▲4九飛は予想できていなくて、封じ手のところもかなり悩ましかったです。本当はもう少し考えたい局面だったんですけど△8六歩(72手目)で勝負しようと思いました。
――▲7三角(93手目)に△9七香成(94手目)で激しい終盤になった。
伊藤 ▲7三角は軽視していて、ちょっと読みが甘かったと感じています。△9七香成でかなり怖い局面ではありますけど、少しいけているのではないかと感じていました。
――△8七銀(116手目)は踏み込んだ一手だった。
伊藤 常に指しやすそうな気はしていたのですが、うまく決め手を与えない指し方をされて。正しく指せていたかはわからないまま、指していました。
――本局全体について。
伊藤 1日目から終盤のような展開になり、かなり難解だと思っていました。しっかりと時間を使って指せて、充実感のある時間ではありました。
――次局に向けて。
伊藤 よい状態で臨めるように準備したいと思います。

Dsc03877

――△6五歩(50手目)の仕掛けから攻め合いになった。
藤井 △4二金上(46手目)から△6二金(48手目)と工夫されて、ちょっと認識のない形になってしまったかなと思っていました。△6五歩(50手目)に▲4五桂(55手目)は消去法に近い感じで選んだ手だったので、うまくいっていないのかなとは感じていました。
――▲6五同歩(51手目)に対して時間をかけた。
藤井 △6五歩(50手目)と仕掛けられそうかなとは思ったんですけれど、実際に指されて、いい指し方が見いだせなかったかな、というところではありました。
――1日目終了時点の形勢判断は。
藤井 △8六歩(66手目)から△8五歩(68手目)のあたりは勝負どころと思いました。本譜は△8六歩(72手目)と取り込まれたところは直線的な展開になるかなと思ったんですけど、その変化が▲9二銀(69手目)と打つときに想定していたよりも苦しい感じがしました。ちょっと勝負手気味の指し方ではあったんですけど、結果的としてはあまりうまくいかない感じになってしまいました。
――△8六歩(72手目)のあたりは形勢としては難しい?
藤井 ちょっと苦しめかなという気がしました。その後の△9七歩成(90手目)から△7七角(92手目)の攻め筋を軽視してしまっていて、そのあたり本格的にまずくしてしまったと思います。代案も少ない直線的な展開になってしまいました。
――▲7三角(93手目)、△9七香成(94手目)で両者とも踏み込んだ。
藤井 △7七角(92手目)に受けも難しいので攻め合いにいったんですけど、攻め駒が少ない形でどうしても余されてしまいそうな展開になりました。
――終盤△7七飛成(114手目)から△8七銀(116手目)と攻め込まれた。
藤井 △7九飛(110手目)のところで▲7六香としても形がほぐれないのでダメかなと。本譜も踏み込まれて受けが難しくなりました。
――本局を振り返って。
藤井 ▲4五桂(55手目)から激しい展開になったんですけど、こちらの玉が桂馬を持たれているとどうしても薄い形になっていて、そのあたりの判断が甘かったというか、形勢を損ねる要因になったかなと思います。
――次局に向けて。
藤井 本局は1日目で結果的に少し形勢を損ねる感じになってしまったので、より難しい局面を続けられるように集中して臨みたいと思います。

Oui202607040101138伊藤園お~いお茶杯第67期王位戦七番勝負第1局、▲藤井聡-△伊藤匠戦は18時20分、138手で伊藤二冠が勝ちました。消費時間は、▲藤井7時間59分、△伊藤7時間23分(持ち時間は各8時間)。第2局は7月15、16日に兵庫県神戸市「中の坊瑞苑」で指されます。

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先手玉を押さえつけた上図の局面、控室では△6二玉▲7六角△1九飛成が好手順で後手の勝ち筋と見られていました。以下▲5九桂は△7九銀が厳しい寄せ。△1九飛成は香を入手して△9八香を狙うだけでなく、飛車を動かして△7九銀と打てるようになって一石二鳥です。勝又七段は継ぎ盤を見ながら「△1九飛成を見れば後手が勝ちそうだとわかりますね」とうなずきます。森内九段は「△6二玉はいい手ですね」とその前の受けに着目。玉の早逃げがさりげない好手で、▲7六香なら王手にならないため△7七金と打って寄り筋になります。

しかし、実戦は伊藤二冠が△7七飛成(下図)!

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▲7七同桂は△8七角成で寄ってしまうため、▲7六角と角のほうを取るよりありません。そこに△8七銀とたたき込みました。アクセル全開、最短距離の寄せです。

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早い終局になるかと思われていた本局ですが、両者とも一手一手に時間を使っています。際どい終盤戦のため水面下に詰む詰まないの変化が多く、慎重な読みが要求される展開です。藤井王位は▲7九香(図)と打ちました。「下段の香に力あり」で後手玉をにらみ、成桂の動きに制約をかけています。もちろん△8八成桂とは指せません。

検討では△9八歩が厳しいと見られていました。▲同玉△6五角▲8七歩△8六桂▲同飛△同歩▲7七香△6二玉は後手優勢。先手玉は△8七歩成からの詰めろで▲7六歩と受ければ延命はできますが、終盤で手番を渡すだけの受けを指すようでは望みがありません。そこで手順中△6五角の王手に▲8七角!(参考図)はどうかと意見が出ました。

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角合いは妙手。△8六桂▲同飛△同歩に▲6五角と急所の攻め駒を外せるのが自慢です。ただ、以下△6二玉▲7七香△6五歩でやはり後手の優位は揺るぎません。藤井王位がうまく食い下がっていますが、正しく指せば伊藤二冠が残しているようです。