お~いお茶杯第64期王位戦七番勝負第2局
インタビュー
両対局者にインタビューが行われました。
【藤井聡太王位】
――序盤について。
藤井 序盤は手が広くて、その中で持久戦になるような展開もありうるのかなと思いましたけど、本譜は積極的に動いてこられました。それに対してどう対応するのか。難しかったのかなと思います。
――封じ手について。
藤井 封じ手の△7四角成はすぐに馬が働くわけではないので、成否は微妙なのかなと思いました。代えて△8三角成のほうがよかったのかなとも思いましたけど、比較が難しくて分からなかったというところです。
――2日目に入り、中盤戦について。
藤井 相手の攻めに対応するような展開が続いて△8五馬や△7五飛としましたが、その2枚の大駒が少し働きにくい形なので、陣形をどうまとめるのかを問われる展開なのかなと思いました。
――攻めの見通しについて。
藤井 あまり攻め駒が多くない形だったので不安もありましたが、(先手の)3四銀を目標に進めていければと考えていました。
――終盤について。
藤井 飛車を切ってから攻めていく形にはなったのですが、5筋の歩を突いていったことで後手陣もキズを抱えながらの戦いでした。なるべくそれをケアしながら指せればと思っていました。最後は1手勝ちの形になったのかなと。
――第2局を振り返って。
藤井 ▲4五銀に対して△3三桂と、少し引っぱり込むような形で対応しました。3四銀を負担にできればと考えていましたけど、逆にこちらの3三桂が負担になる展開もありましたので、そのあたりをどう判断するかが全体を通して難しいところだったと思います。
――第3局に向けて。
藤井 これで先後1局ずつ指したので、これまでの2局の内容をしっかりと振り返って、第3局以降も頑張りたいと思います。
【佐々木大地七段】
――序盤の大長考、35手目▲4五銀について。
佐々木 直前に△9四歩と受けられて、先手も何か主張を作ろうかなというところでした。いろいろ手がある中でいちばん強い手だと思いましたけど、38手目△4七角からの切り返しを軽視していました。そのあたり、中身が伴っていなかったと思ってしまいました。以降は辛抱する時間が続きました。
――中盤戦の形勢判断は。
佐々木 厳しいですが決め手を与えないようにとは思っていました。ただ、こちらは歩切れで玉形もよくありませんので……やわらかく受けられて厳しい中盤戦でしたね。自信はないなと思っていました。本譜は大駒交換から角を切られる形になってしまったので、もう少し手順があればというところですが、元の作りが悪かった気がします。
――本局を振り返って。
佐々木 序盤の細かい形の違いを理解していなかったので、厳しくしてしまった理由かなと思います。
中盤以降も的確に指されて、こちらの壁(7筋周り)が祟ったような感じがします。
――第3局に向けて。
佐々木 課題が山積みなのでしっかりと修正して、よい将棋が指せればと思います。
【藤井七冠が2連勝、王位4連覇に弾み 将棋王位戦 立会人の福崎九段「優れた大局観を発揮」|神戸新聞NEXT】
https://www.kobe-np.co.jp/news/culture/202307/0016584687.shtml
終局直後の様子
藤井王位が2連勝
七番勝負第2局は98手で藤井王位の勝ちとなりました。終局時刻は17時9分。消費時間は▲佐々木7時間19分、△藤井7時間6分。七番勝負は藤井王位が2勝0敗としました。第3局は7月25日(火)から26日(水)にかけて、料亭湯宿「銀鱗荘」(北海道小樽市)で行われます。