2013年7月

2013年7月29日 (月)

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行方八段は昼食休憩をはさんだ長考で△8五歩(図)。ここまで先手に追従して指している。ここから先は端を突くことになるのだが、脇システムは端の形によってその後の展開が大きく違ってくる。ざっくり言えば、双方端を突き合えば先手が先攻、後手が反撃という流れ。双方端を伸ばせば激しい攻め合いになりやすい。端の関係は対称形だけとは限らず、後手が先攻を嫌えば、端を手抜いて棒銀に出る変化もある。駒のぶつからない序盤戦だが、脇システムはいったん戦いになると流れが緩まず一気に激しい戦いになりやすい。どの形で指すのか、重大な岐路といえる。
最近のタイトル戦では珍しいスローペースだが、以前は1日目といえば序盤の駒組みで終わることも少なくなかった。

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ロープウェイ乗り場の反対側にはプロムナード(歩行者専用路)がある。1998年に整備されたもので、道には石畳が敷かれ、建物もカナダの山岳リゾートを模しており異国情緒が漂っている。

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先に対局室へ来たのは羽生王位。再開の時間になっても行方八段の姿はなく、10分ほどたってから部屋に現れた。「失礼しました」と行方八段。羽生三冠は一瞬ちらりと行方八段のほうを見ると、再び盤に視線を落とした。

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図の35手目▲の局面で昼食休憩に入りました。消費時間は▲羽生1時間59分、△行方1時間5分。脇システムに進んだ本局。この後、端歩の形によってアヤが少しずつ変わります。羽生王位と行方八段がどの形にするかが午後の戦いの見どころといえます。