2013年8月

2013年8月28日 (水)

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第54期王位戦は羽生王位の4勝1敗で幕を閉じた。
本局の小池大志氏による観戦記は徳島新聞・北海道新聞・東京新聞・中日新聞・神戸新聞・西日本新聞にて10月9日~10月21日に掲載予定です。お楽しみにお待ち下さい。
ご観戦ありがとうございました。

(吟)

Dsc_0834(大盤解説会場から戻った両対局者は感想戦を行う)

Dsc_0840 (今シリーズの防衛で王位通算15期となった羽生王位)

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Dsc_0869 (小林九段も身を乗り出して感想戦に加わる)

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(吟)

Dsc_0812 (大きな拍手に迎えられ両対局者が大盤解説会場で感想を述べる)

Dsc_0805 (「△3四歩が手拍子で、歩を持ったまま△8六歩でした」と話した行方八段)

Dsc_0820 (大盤では▲3九角(49手目)の局面が調べられた)

(吟)

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―― 時間をたっぷり使う序盤戦でしたが。

羽生 最初に端歩(6手目・△9四歩)を突かれて、似ているのですが、 局面としてはかなり違うので考えざるを得なかった展開になってしまったです。 こちらもどういった構想で攻めの形を作るか迷いました。

―― ▲2八角(37手目)と打ってからの展開はいかがだったでしょうか。

羽生 もう少し早く3五の歩を取れると思っていたのですが、収まってしまって ちょっと凝り形でよく分からなかったです。

―― △2五銀(50手目)以降はいかがでしたか。

羽生 いろいろあってよく分からなかったですね。あまりこちらも自分から 動く手もないので、本譜のような受けに回る展開も仕方がないのかなと。

―― 終盤はどんな感じだったでしょうか

羽生 △4五銀(84手目)と出られたところではちょっとよくなったと思いました。

―― 4勝1敗で防衛となりましたが、今シリーズを振り返ってみていかがでしたか。

羽生 いろいろな将棋があって、難しい感じの将棋が多かったなと思います。

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―― 6手目の△9四歩から1手損角換わりになったのですが。

行方 端が入ったことでよくある将棋とは少し違う局面になりましたが、 その違いがよく分からなかったですね。

―― 1手損角換わりですが△8五歩と突く将棋になりましたね。

行方 ちょっと端の関係でやはり似て非なる将棋になっているので、 自分なりに策を凝らしたつもりだったのですが。ちょっと序盤に△ 6五歩(26手目)と突いたのがどうだったのか。封じ手の局面はあまり 自信ないので。ただ2日目に入って角を打ち合う展開になって。後手番と してはまあ仕方のない局面かなと。難しいと思っていました。 手拍子で△3四歩と打ってしまったのが……。あそこで△8六歩(1歩を持って いるため、継ぎ歩があり▲同歩と取りにくい)と突けば。 本譜はあとからだったので△8六歩に▲同歩と応じられてしまいました。 そのあとも難しいところはあったと思うのですが、ポッキリ倒れてしまって。

―― 今シリーズを振り返ってみていかがでしたか。

行方 ちょっと見落としが多すぎて。自分が思うにいいなと思う局面が 1つもなかったので完敗ですね。


(吟)

 

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羽生善治王位に行方尚史八段が挑戦する第54期王位戦七番勝負第5局は18時59分、95手で羽生王位の勝ちとなりました。消費時間は▲羽生7時間56分、△行方7時間59分。
この結果、七番勝負は羽生王位の4勝1敗となり、王位防衛を果たしました。王位獲得は通算15期、タイトル獲得の合計は85期とともに歴代1位記録を更新しました。(銀杏)