第48期五番勝負第1局 Feed

2022年1月16日 (日)

感想戦

_dsc0274 (感想戦は十数分行われた)

_dsc0313 (伊藤女流三段)

Dsc_7585 (里見女流名人)

更新は以上となります。
1月23日に島根県出雲市「出雲文化伝承館」で行われる第2局にもご注目ください。
本日は観戦ありがとうございました。

(銀杏)

大盤解説へ

インタビュー後、両対局者はオンライン大盤解説に出演しました。

Dsc_7639 (対局者が大盤解説会場に入る)

木村 先手になって角を交換する、前例にある形になりました。ある程度想定していたのでしょうか。

伊藤 飛車先を決めたら、本譜のような順か角道を止めてくる順かと思っていました。端歩の突き合いがどのくらい影響があるかわかりませんでした。

木村 有利になったという感触はどこで得ましたか。

伊藤 ずっと難しいと思って指していました。終盤の▲6四角(95手目)と銀を取れたところで優勢を意識しました。

Dsc_7647 (コメントする伊藤女流三段)

木村 角を換える序盤でした。想定していた部分、していない部分はありましたか。

里見 そうですね。当然、想定していた部分もありましたが、なかなか想定通りにはいかなかったですね。

木村 △7七角(42手目)で昼食休憩でした。そのあたりは想定でしたか。

里見 いけるのかなと思って踏み込んだのですが、やや無理だったのかなと思います。ちょっとやりすぎてしまったと思います。

Dsc_7671 (里見女流名人)

木村 そのあと熱戦が続きましたが、結局先手が押し切りました。あらためて、対局場の印象をお聞かせください。

伊藤 快適な環境を整えてくださり、対局に集中できました。大変な状況の中ですが、とても感謝しています。

里見 毎年、すごく対局に集中できるように環境を整えてくださって、今年は昼食のメニューも増やしてくださり細かいところまでお気遣いいただいていることを本当に感謝しております。

木村 第2局が来週に行われます。抱負をお聞かせください。

伊藤 第2局は近いですが、しっかり整えて対局に臨みたいと思います。

里見 本局は不甲斐ない内容になってしまいました。来週第2局ですが、しっかりコンディションを整えて挑めたらと思います。

(銀杏)

終局直後

終局直後に主催の報知新聞社が対局者にインタビューしました。Dsc_7565 (終局後の様子)

Dsc_7603 (113手目▲4九玉で終局)

Dsc_7587 (インタビューに答える伊藤沙恵女流三段)

――一局全体を振り返っていただきます。

伊藤 早い段階からミスが許されない将棋と思って指していました。ずっと難しいかなと思って指していました。

――序盤で工夫があったと思います。角交換から▲5三角(13手目)の成否はいかがでしたか。

伊藤 何局か指したことはありますが、端歩の突き合いがどのように影響してくるのかはわかっていませんでした。後手が香を走ってくる順もあるのでわかりませんでした。

――▲5六歩(35手目)と突いてさらに激しくなりました。そのあたりについてはいかがでしょうか。

伊藤 △4四銀(34手目)が何でも△6五銀と取ってくる将棋と思いました。こちらは仕方ないと思って▲5六歩を選びましたが、結構攻められる感じだったので、どうなっているかしっかりとはわかっていなかったです。

――△7七角(42手目)で昼食休憩になりました。その局面をどう見ていましたか。


伊藤 清算して△5六飛(46手目)と進んだときに△5七飛成をどう受けるかで相当悩みました。▲4八玉(65手目)と逃げた形が意外と耐久力があるといいますか、すぐには先手玉への寄せが見えませんでした。どうなっているか難しいと思いますが、しっかり考えて、こうかなと思っていました。

――▲4八玉で収まるまでは玉が危険でしたが、そのあたりはどうでしたか。

伊藤 ほかの順が逆にわかりませんでした。つぶされてしまう順はいろいろあると思いますが、▲5八歩(47手目)にどのようにつぶされるかわからなくて本譜を選びました。

――終盤はいかがでしたか。

伊藤 本当にわからなくて。桂を取ったとき(73手目▲6四歩)にどのように指されるかわかりませんでした。どう応じても味が悪いと言いますか、後手の嫌みを突いていると思いましたが、わからなかったですね。

――明確によくなったと思ったのはどのあたりでしょうか。

伊藤 ▲6四角(95手目)と銀を取れたあたりです。

――勝ちになったと思われたのは?

伊藤 本当に最後、▲7三金(111手目)と打って受けが難しいので、読み抜けがなければ勝ちかなと思いました。

――五番勝負を白星でのスタートとなりました。1勝を挙げた気持ちはいかがですか。

伊藤 結果はうれしいですが、先は続いていくので、また次局も頑張ろうと思います。

――里見さんとの7度目の番勝負で初めて白星スタートです。いままでの違いはありますか。

伊藤 結果は本当にうれしいですけども、気を緩めてはいけないと思うので引き締めたいと思います。

――3年前、4年前は悔しい結果だったと思います。箱根対局を白星で終えたことについてコメントをお願いいたします。

伊藤 3年前は一方的になってしまったので、そういう風にならないようにできたのがまずよかったと思います。配信の時間で形勢に差がついているとよくないと思うので、早い終局にならなくてよかったです。

――大きなものに向かっていくうえでの1勝になりました。次局以降に向けてうかがえたらと思います。

伊藤 五番勝負なので、まず1勝できたのはよかったです。あとも一生懸命頑張りたいと思います。

Dsc_7613 (伊藤女流三段は7回目となる里見女流名人とのタイトル戦で初めて開幕局を制した。大きな白星スタート)

Dsc_7598 (インタビューに応じる里見香奈女流名人)

――一局を振り返っていただけたらと思います。

里見 早く攻めていく展開にしましたが、やりすぎてしまったかなという気がしています。

――序盤で△9五歩(22手目)と早いテンポで指されたのは想定の順という気がします。序盤についてどのように感じていましたか。

里見 端歩を生かして指そうと思っていました。

――昼食休憩で△7七角(42手目)と力強く打ち込まれましたが、局面をどう感じていましたか。

里見 やっているときはいけるんじゃないかと思いましたが、▲5八歩(47手目)のときにあまり思わしい攻めがなかったです。いい手順があったかなという気はしています。本譜は純粋に駒損の手順になってしまい、先手玉の薄さとの代償がなくなってしまいました。そこではっきり苦しくなったと思います。

――第2局に向けて出直しになると思いますが、抱負をお願いいたします。

里見 今日の将棋は内容がひどかったので、次局までにコンディションを整えていけたらと思います。

――第2局は地元の出雲になります。そこで指すことについてお聞かせください。

里見 コロナ禍の中でも、地方対局を開催していただいています。自分の力を出しきれるように努めたいと思います。

Dsc_7626 (里見女流名人は反省の言葉を口にしていた)

(銀杏)

伊藤沙恵女流三段が先勝

Joryumeijin202201160101113五番勝負第1局は113手まで、伊藤沙恵女流三段が里見香奈女流名人を下しました。終局時刻は16時31分。消費時間は、▲伊藤2時間42分、△里見2時間26分。第2局は1月23日(日)島根県出雲市「出雲文化伝承館」で行われます。

(八雲)

16時10分ごろの控え室

Dsc_7556 (真田八段と山根女流二段が検討)

20220116j_2

100手目△8四角を並べた真田八段「ここは▲5七銀と入れるところ。そうしておけば△5五歩~△5六歩~△5七歩成とされてもまだ先手玉は詰まないから、△5五歩の局面で攻めに専念できる。△8四角に▲4九玉と節約するのは△6六角打などとされて、結局はもう1手受ける手が必要だから、最初から手を入れたほうがわかりやすい」

(銀杏)

伊藤女流三段がギアを上げる

20220116i

図は96手目△5六同竜の局面。里見女流名人が角を取ったところです。普通は▲5六同銀ですが、伊藤女流三段がしばらく手を止めていました。はて、どういうことだろうと見ていると▲6四角。竜ではなく銀を取って、寄せも視野に入れました。▲5六同銀だと△7五歩などと角の利きを止める手もありました。
実際、▲6四角の局面は、後手に竜取りが残っているので収拾の付け方が難しそうです。▲6四角に△6七竜は▲7三角成が詰めろで厳しい。

(銀杏)

Dsc_7511 (里見女流名人は4期連続で開幕局を制していたが、今回は厳しい形勢)

15時40分ごろの控え室のモニター

Dsc_7548 (控え室のモニターで見る対局室の様子。里見女流名人は左のそでをまくる。少しして、右袖もまくり上げた)

(銀杏)

里見女流名人の辛抱

20220116h

図は84手目△6三銀まで。真田八段が予想したように、後手の攻めに先手玉は倒れませんでした。伊藤女流三段は受け止めて、後手の攻めが甘くなったところで反撃に出ました。すると、里見女流名人は拠点だった5六の垂れ歩を△5七歩成と成り捨てたり、貴重な持ち駒を△6三銀と打ったりして辛抱を重ねました。控え室では「鬼辛抱」の声も。
駒得で攻めているため伊藤女流三段が優勢と見られています。手段も多いため、方針を決めて進めたいところです。
(銀杏)

20220116_hikaesitu1 (立会人の真田八段とオンライン解説の木村九段。二人は千葉県出身の共通点がある。真田八段は八千代市、木村九段は四街道市出身。奨励会入会はともに1985年、真田八段が1学年上)

午後のおやつ

14時30分になり、午後のおやつが出されました。伊藤女流三段は「生どらやき」(和がし 葉な)、「アイスカフェラテ」。
里見女流名人は「黒糖クリーム大福」(和がし 葉な)、「レアチーズタルト」(和がし 葉な)、「パインジュース」、「オレンジジュース」。
飲み物は対局室、食べ物は控え室に出されます。(銀杏)

Dsc_6773 (生どらやき)

Dsc_7295 (アイスカフェラテ)

Dsc_6792 (レアチーズタルト(左)と黒糖クリーム大福)

Dsc_7325 (パインジュースとオレンジジュース)

スポーツ報知のプレゼント企画

現在、スポーツ報知の無料会員のユーザーに里見女流名人の直筆サインの色紙を1人にプレゼントの企画が行われています。応募締め切りは1月23日。この機会に会員登録はいかがでしょうか。
(銀杏)

【将棋の里見女流名人の直筆サイン入り色紙をプレゼント : スポーツ報知】
https://hochi.news/articles/20220113-OHT1T51142.html

カテゴリ