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2025年3月

2025年3月30日 (日)

感想戦

Dsc_4617(西山女流三冠)

Dsc_4624 (福間女流名人)

Dsc_4619 (感想戦は17時30分ごろまで続けられた)

(銀杏)

終局直後

Dsc_4578 (終局直後の様子)

Dsc_4583 (1勝目を挙げた西山朋佳女流三冠。思うように攻められなかった第2局とは違い、踏み込んだ手も多かった)

―――対局は三間飛車を選択されました。序盤作戦や駒組みはどうでしたか。

西山 ▲4六歩(65手目)と受けたあたりで、こちらに手がつきやすい状況で難しかったですが、なんとか反撃に転じて、なんとか手になっていたと思います。

―――昼食休憩前後、△7二玉(54手目)に▲2五歩としたあたりの手ごたえをお聞かせください。

西山 ▲2八銀(57手目)と引くのでは少し自信がないかなと思っていました。

―――自玉周りの戦いが続きました。▲5四歩(73手目)から▲4八金上としたあたりの形勢判断や感覚をお聞かせください。

西山 陣形差で少しだけ自信があるような気がしていたのですが、大駒と玉が近くて、直接的な手があるとこちらの玉に早く攻めがきてしまうので難解だと思っていました。

―――強く受けていましたが、実際に指しやすくなったと感じたのはどのあたりでしたか。

西山 ▲3五歩(115手目)△同香▲4六竜の組み合わせが見えて、詰む形や▲5五角の王手竜取りの狙いができて、自玉が安泰になったので良くなっていると思いました。

―――一局を振り返って、どのような将棋と思いますか。

西山 水面下で飛車交換など激しい変化もあったと思います。6筋の歩が切れていたり、5筋を突く筋がこちらにあったりして難しい将棋だったと思います。

―――1勝返しました。福間女流名人への連敗も止まりました。

西山 第4局も指せるので悔いなく挑めるように準備して臨みたいと思います。

Dsc_4569 (敗れた福間香奈女流名人)

―――西山女流三冠の三間飛車に相振り飛車となりました。序盤の駒組みはいかがでしたか。

福間 指してみないと分からないと思っていました。

―――昼食休憩後に西山女流三冠の玉に攻め込みました。そのあたりの手応えはいかがでしたか。

福間 少し指しやすいと思いました。

―――▲5三歩成(83手目)から攻め込まれたところでの感覚をお聞かせください。

福間 少し勝っていそうと思っていたのですが、本譜は選んではいけない順に踏み込んでしまったと思います。

―――▲4六歩(95手目)に△5四飛と寄ったあたりはどうでしょうか。

福間 ▲4六歩に対してどうしたらいいのかなと思っていたのですが、本譜は少し錯覚していたところがあって違う順を選ぶべきだったと思います。

―――進めていって難しさを感じた局面はどのあたりでしょうか。

福間 ▲4六歩(95手目)であまりいい順がないなら、▲4五歩(91手目)に対して指し方でほかの手順を選ぶべきだったと思います。

―――一局を振り返っていただけますか。

福間 形勢はややいいと思っていたので、そこから崩れたのが残念な一局だったと思います。

―――2勝1敗になりました。第4局に向けての思いをお聞かせください。

福間 引き続き、体調に気をつけて臨めたらと思います。

Dsc_4592 (133手目▲2二銀で終局した)

(銀杏)

西山女流三冠がシリーズ初勝利

20250330a

▲西山-△福間戦は133手で西山女流三冠が勝ちました。終局時刻は16時50分。消費時間は▲西山2時間18分、△福間2時間59分。西山女流三冠がシリーズ初勝利を挙げて1勝2敗としました。第4局は4月4日(金)に東京・将棋会館で行われます。

(琵琶)

負けにくい玉形

20250330_113図は113手目▲6六竜の局面。西山女流三冠は竜で後手の駒を除去する作戦に出ました。そうして図の局面を迎え、嫌みが減って負けにくい玉形になりました。6四の角も自玉周辺によく利いています。スコアとしてはあとのない西山女流三冠、緩急自在に差を広げていきます。(銀杏)

Dsc_4559 (検討する清水女流七段。女流名人は通算10期獲得し、クイーン名人の資格を有する)

局面が大きく動く

20250330_95図は95手目▲4六歩まで。福間女流名人は熟考して△5四飛とし、以下▲3六角△4九飛▲4八金打△9九飛成▲5四角△同玉▲5三飛△4四玉▲6四角(下の図)とあっという間に進みました。

20250330_105△5四飛は△4九飛に▲4八金なら△同飛成▲同玉△5七銀の攻めを狙ったものですが、西山女流三冠は▲4八金打と守りに金を使っても攻めがつながると判断して踏み込みました。実際、下の図の▲6四角の局面は▲5五角の王手竜取りと▲8二角成の両狙いが厳しいです。守り駒のない福間女流名人は先手の攻めをしのげるでしょうか。
(銀杏)

Dsc_4415002(福間女流名人の攻めを強く迎え撃って切り合いに出た西山女流三冠)

茂木佐公園(野田児童遊園)

野田市市民会館からすぐのところに茂木佐公園(野田児童遊園)があります。茂木佐平治家の稲荷神や龍神をまつるための金宝殿があります。(銀杏)

Dsc_4273 (金宝殿)

Dsc_4268(桜が咲いてきれい)

2024年度の女流タイトル戦

今日は3月30日。本局は2024年度最後のタイトル戦対局です。今期五番勝負は第4局が4月4日、第5局は4月11日に予定されています。

2024年度の女流タイトル戦を振り返ってみます。

第4期白玲戦 西山白玲4-2福間女流五冠
第6期清麗戦 福間清麗3-1加藤桃子女流四段
第17期マイナビ女子オープン 西山女王3-0大島綾華女流二段
第14期女流王座戦 福間女流王座3-0西山女流三冠
第35期女流王位戦 福間女流王位3-0加藤女流四段
第46期女流王将戦 西山女流王将2-1福間女流五冠
第32期倉敷藤花戦 福間倉敷藤花2-0伊藤沙恵女流四段

2024年度に終了した7つの女流タイトル戦はすべてタイトル保持者が防衛しています。全棋戦でタイトル防衛となるかどうか。
プロ棋戦のほうも、第9期叡王戦で伊藤匠七段(当時)が藤井聡太叡王(当時)を3勝2敗で破った以外は、すべてタイトルホルダーの藤井聡竜王・名人がタイトル防衛して七冠を堅守しました。全体を見ると、タイトルホルダー強しの1年といえそうです。
(銀杏)

力強い受け

20250330_71図は71手目▲4七玉の局面。3八に玉がいて△3六同飛と王手をかけられたところ、西山女流三冠は▲4七玉とかわしたのです。▲3七歩は△4六飛や△2六飛で後手の攻めが続きますし、▲3七銀も△3四飛から△3六歩が生じます。▲4七玉は形にこだわらない力強い手で、△4六飛を防ぎつつ2七歩から遠ざかっています。
(銀杏)

Dsc_4243 (野田市市民会館の玄関に雛人形が飾られてあった)

午後のおやつ

14時30分になり、対局者に午後のおやつが出されました。西山女流三冠はモンブラン、ココア。福間女流名人はいちごババロア、カフェオレ(ホット)、緑茶でした。
(銀杏)Dsc_4548(西山女流三冠のおやつ)

Dsc_4554 (福間女流名人のおやつ)

野田市市民会館(3)

野田市市民会館の庭園は国登録記念物です。(銀杏)Dsc_4334(野田市市民会館の庭園)

Dsc_4337 (茶室の「松樹庵」)

Dsc_4347

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