第43期五番勝負第4局 Feed

2017年2月 6日 (月)

湯原小学校訪問(2)

里見香女流名人への質問コーナーです。児童たちからいくつか質問が寄せられました。

─ 練習は一日どれぐらいしているのですか?
里見 午前中に2、3時間やりまして、午後に3、4時間ぐらいしています。皆さんが勉強している間、私は将棋の勉強をしている感じですね。

─ 女流棋士になりたいと思ったのはいつ頃ですか?
里見 皆さんと同じ小学校5、6年生ぐらいに、「プロ棋士になりたい」というよりは「将棋をずっとしていたい」という気持ちがすごい強くて、私は兄がいまして、兄と一緒に将棋を続けていたのがきっかけです。

─ (里見咲紀女流1級と)姉妹で将棋を指すことはありますか?
里見 いまお互い大阪のほうに出ていて、あまり会う機会がないのですが、島根県の実家に帰ったときに時間があったら指す感じですね。父親も将棋をやっていたので、小さい頃は、兄と妹と家族で将棋大会をすることが多かったです。

Yoku05_2

─ 将棋を始める前はどういうことが好きでしたか?
里見 外で遊ぶことが大好きで、皆さんぐらいの歳のときは、チャイムが鳴るとすぐに外に出てドッジボールをしたり、そういう体を動かして遊ぶことが好きでした。

─ プロ棋士も目指しておられますが、勉強方法を変えたり、工夫しているところはありますか?
里見 ひとりで勉強する時間を増やすようにしています。将棋は1対1でやる印象しかないと思うのですが、ひとりで盤に向かって勉強したりすることが多いです。

─ 負けて将棋が嫌になることはありますか?
里見 日常的によくあることですけど、そういうときは外で気分転換したり、美味しいものを食べたり、将棋とは関係のないことをしてリラックスしています。

─ 好きな食べ物は?
里見 逆に嫌いな食べ物があまりなくて、食べることが大好きなのですが、いちばんはやっぱり真っ白いご飯が好きですね。

質問コーナーのあとは将棋体験教室。伊藤明女流初段と里見香女流名人のコンビで進められました。

Yoku06 (まずは駒の動かし方から)

Yoku07 (続いて歩なし将棋を体験。すぐに駒を取れて王手がかかるなど、スピード感がいい)

体験教室が終わると、児童代表からのお礼の挨拶がありました。

Yoku08_2 (挨拶は6年生の森陽生君)

「女流棋士の皆さん、今日は将棋のやり方を教えていただきありがとうございました。僕は今日将棋を習うまでは、将棋の世界に入ったことがなく不安でしたが、女流棋士の皆さんたちが優しく教えていただいたお陰で僕も少し興味を持ちました。なのでこれからも将棋をやる機会があったら、僕も今日習ったことを生かして頑張りたいと思います。今日は本当にありがとうございました」

Yoku09_2(最後に全員で記念撮影)

(書き起こし:夏芽記者、写真:飛龍)

湯原小学校訪問(1)

対局翌日、里見香女流名人を中心とする女流棋士一行が真庭市立湯原小学校を訪問しました。真庭市は中国自動車よりも北にあり、鳥取県に接しています。

Yoku01_2(里見香女流名人を主役に女流棋士がズラリと並ぶ。壮観だ)

Yoku02_2 (湯原対局の際には、すっかり恒例となっている「女流棋士来校」)

Yoku03_2 (湯原温泉は真庭市にある。写真のほぼ中央)

まずは里見香女流名人の挨拶です。

Yoku04 (今回の訪問の主役は里見香女流名人。厳しい戦いを終え、リラックスした表情)

里見香「皆さん、おはようございます。里見香奈と言います。私は、この小学校には何度か来ていまして、先ほど先生が言われたように5、6年生は昨年もお会いしたと思います。今日は本当に短い時間なのですけれども、このあと将棋教室をやるので、将棋を楽しんでいただければなと思います。今日はよろしくお願いします」

(書き起こし:夏芽記者、写真:飛龍)

2017年2月 5日 (日)

感想戦

Satomi08

Satomi09_2

Ueda08

Ueda09

Kansou03

Kansou04(里見香女流名人の背筋が伸びている)

以上で本局の中継を終了いたします。第5局は2月22日(水)に東京・将棋会館で行われます。ご観戦くださいましてありがとうございました。

(飛龍)

大盤解説会場へ

Ooban10(大盤を使った感想戦が行われた)

Ooban12 (井上九段が進行を担当。65手目▲5二飛の局面は難しい)

Ooban14 (71手目▲2五銀がいい手だったと振り返られ、大盤での感想戦は終了)

Ueda05 (第5局への抱負を語る上田女流三段)

Satomi04

(同じく里見香女流名人)

(飛龍)

終局直後

Satomi02(里見香奈女流名人は2連敗のあとの2連勝で追いついた)

Ueda03 (上田女流三段もあとがなくなり、最終第5局にタイトル奪取を懸ける)

Kansou01(終局後はすぐに主催社インタビューが行われた)

―女流名人からお伺いします。33手目▲7四歩の仕掛けは成算はありましたか。

里見 ちょっと無理気味かなとも思いつつ、じっとしていると端が大きいのかなと思いました。仕方なく、です。

Satomi06

―昼食休憩の辺りはいかがでしたか。

里見 昼休のところは自信がありませんでした。

―51手目▲2六歩は控室で珍しいといわれていました。

里見 自分からキズを作っているので、ちょっとおかしい疑惑があるのですが。▲5七金のような手のほうがよかったかもしれませんね。

―64手目△3五銀から激しい終盤に突入していきました。

里見 58手目△6三歩の局面で、少しよくなりそうと思っていたのですが、読んでいるうちにあまり自信がなくて……。そうですね、△3五銀と打たれたあとはもう、自信がありませんでした。

Satomi07

―終盤について、形勢はどのように見ていましたか。

里見 67手目▲1六歩と突いて、駒損する展開や寄せ合い負けする順もあまりなさそうなので、少し難しくなったかなと思いました。71手目▲2五銀と打って自玉が少し安全になったので、盛り返したと思いました。

―第1~3局と違い、繊細で難解な将棋でしたが、一局を通してはいかがですか。

里見 今回はゆっくりした将棋にするつもりでしたが、23手目▲7七角~▲6八角(~▲4六角)で手損してしまい、やむをえず動いたという感じだったので全体を通して自信がありませんでした。

―これでタイに戻されて、最終局になりますが、抱負をお願いします。

里見 少し間が空くので、自分をしっかり準備したいです。今日は序盤で少しミスを重ねてしまったので、自分にできる限りのことをやって第5局に挑めたらなと思います。

Ueda07

―上田先生、端が生きる展開とはいえ金が7三にいくなど、指しこなすのが難しい将棋かと思いますが、いかがでしたか。

上田 ずっと難しいと思っていましたが、中盤に曖昧な手が続いてしまったと思います。

―具体的にはどの辺りの手順ですか。

上田 48手目△6三飛と浮いたところで、指した瞬間に見えたのですが、△4四桂があったかなと思いました。本譜はあちらの飛車が働く展開になってしまいました。63手目▲4六飛の局面でまた間違えたような気がします。

―64手目△3五銀で攻勢が取れそうですし、駒得もできそうで、控室では後手持ちといわれていました。

上田 そうなんですか? 65手目▲5二飛と打たれたところは、こちらだけ金が孤立しているのであまり自信がありませんでした。△9九角成と香を取りにいくのでしたかね。まだちょっとよく分かりません。

―66手目△1三玉については。

上田 考えているうちに、よく分からなくなってしまったんですね。でも、どうやって手を入れていいのかが分からなかったので、あまり自信はありませんでした。

―一局全体を通しては。

上田 ずっとよく分かりませんでした。昼休辺りはちょっと指しやすくできそうな気がしたのですが、中盤でところどころ間違えた気がします。

―2勝2敗のタイになって次局が大一番になるのですが、抱負をお願いします。

上田 勝っても負けても最後なので、思いっきり指せればいいかなと思います。

(飛龍)

2勝2敗で最終局へ

第43期女流名人戦五番勝負第4局は、16時22分、91手で里見女流名人の勝ちとなりました。消費時間は▲里見女流名人2時間36分、△上田女流三段2時間59分。これでシリーズ成績は2勝2敗となり、第5局は2月22日(水)、東京都渋谷区「東京・将棋会館」で行われます。

Photo

(夏芽)

上田女流三段、一分将棋に

Joryumeijin201702050101_71

図の局面で上田女流三段が一分将棋に入りました。局面も自信なしと見られています。

(飛龍)

15時50分頃の大盤解説

Ooban07(菅井七段が登壇。66手目△1三玉を見て、後手が自信を持てなくなったと話す)

Ooban08 (聞き手は湯原あったまるオープン戦で準優勝した村田女流二段)

Joryumeijin201702050101_67

67手目▲1六歩以下、△同歩▲1五歩の変化を菅井七段が解説していました。▲1五歩は放置すれば▲1四銀△2二玉に▲4三飛成の狙いがあります。

Ooban09 (湯原あったまるオープン戦は山根ことみ女流初段が優勝)

Attamaru05

■Twitter解説■
牧野光則五段>湯原あったまるオープン戦は山根女流優勝。おめでとうございます。

(飛龍)

里見女流名人が後手陣に飛車を下ろす

Joryumeijin201702050101_58

上図の局面から▲7六歩△5五飛▲同角△同角▲4六飛△3五銀▲5二飛と、飛車よりも角が大事だといわんばかりの手順を経て、15時30分頃には下図に進みました。▲5二飛までの残り時間は▲里見44分、△上田23分。この局面での考慮中に上田女流三段は残り時間が10分を切っています。

Joryumeijin201702050101_65「ひとめは後手持ちです。飛車が逃げられないようでは△3五銀がいい手でしたね」(井上九段)

Satomi01(里見香女流名人はやや苦しい局面と見られているが、持ち時間を多く残している)

(飛龍)

14時25分頃の大盤解説会場

大盤解説会では、13時30分以降は本局の解説を行っています。

Ooban03 (井上九段が解説。聞き手を務めるのは……)

Ooban05 (伊藤明日香女流初段と伊原木隆太知事!)

湯原あったまるオープン戦は終了したところでした。

Attamaru03(里見咲紀女流1級が4面指しの指導対局を行っていた)

(飛龍)

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