【里見女流名人、終局直後のインタビュー】
――序盤はAbemaTVトーナメント決勝と同じ進行でしたが、予想はしていましたか。
「どんな作戦で来られるかわからなかったですが、大まかに考えていた中のひとつでした」
――右桂を活用されたのが前例と違いました。
「力戦の将棋なので一手一手考えていこうと思っていました」
――昼食休憩の局面(49手目▲2六飛)で悩んでいましたね。
「攻めていけるかなと思っていましたが、ちょっと考えがまとまらなくて。本当は攻めていきたかったんですが、わからなかったので本譜を選びました」
――長考して△3二飛(50手目)と回りました。控室では△6五歩や△1五角が検討に挙がっていました。
「本当は△6五歩などで攻めていきたかったんですが、ちょっとあまりいけているかわかりませんでした」
――△3二飛から形勢がよくなったように感じましたが、いかがでしたか。
――「3筋で1歩を切らしてしまっているので、右側(7筋方面)の戦いでリードできればなと思っていました」
――飛車を切ったあたりはいかがでしたか。
「逆に切っていかないとと思っていたので、どうなのかなと」
――形勢を引き寄せたと感じたのはどのあたりですか。
「△5七歩(92手目)~△5八歩成でと金ができたところで、手厚く攻める展開になってよくなったかなと思いました」
――1局を振り返って指し手によどみがないというか、疑問がなかったと見られていましたが。
「そんなに迷いなく指せていたと思います」
――大きな1勝だと思いますが、その点はいかがでしょうか。
「次は先後が決まっていますので、今日の将棋は忘れて次に向けて気持ちを新たに臨みたいと思います」
――足の状態はいかがでしたか。
「皆さんにはご迷惑をお掛けしてしまって。その分、集中して指すことができました。早く治せるように努めたいです」
――第2局は地元の島根県出雲市での対局です。
「本当に楽しみな場所ですし、いいコンディションで出雲に入りたいと思います」
【伊藤女流二段、終局直後のインタビュー】
――序盤は用意の作戦であったと思いますが、勝った将棋に変化を加えました。どんな構想でしたか。
「指してみたい形があったので採用しました」
――実際の進行はいかがでしたか。
「玉が薄いので、その点に気を遣いながらの進行でした。実際は苦労が多くて、あまりうまくいかなかったと思います」
――昼食休憩を挟んで長考されて△3二飛でしたが、印象はいかがでしたか。
「玉の堅さが違うので、さばき合いになってしまうと形勢があまりよくないと思っていました」
――1局を通じてどんな将棋でしたか。
「指してみたい形を採用しましたが、苦労の多い展開でした。うまくさばかれてしまって。さばかれるかどうかという将棋でもあるので、そのあたりで形勢が離れたのかなと思います」
――第2局に向けて。
「毎局、全力を尽くすだけなので、次局も集中して指せればと思います」
(琵琶)
里見香奈女流名人に伊藤沙恵女流二段が挑戦する第45期岡田美術館杯女流名人戦五番勝負第1局は、16時36分に118手で里見女流名人の勝ちとなりました。消費時間は▲伊藤2時間45分、△里見香2時間28分。第2局は1月27日に島根県出雲市「出雲文化伝承館 松籟亭」で行われます。
(銀杏)
局面は1図から△6六歩▲5六桂△同成銀▲4六金△5七歩▲5六金△5八歩成(2図)と進みました。駒の損得は縮まりましたが、後手が飛車と銀桂の2枚換えで依然として駒得です。先手の玉を薄くして後手が好調との評判。里見女流名人が着実にリードを広げているようです。
(琵琶)
本局は後手番の里見女流名人が中飛車を採用しました。対して先手番の伊藤女流二段が右の金銀を4六銀-4七金と盛り上げて押さえ込みを図る展開に進みます。
里見女流名人は1図から昼食休憩を挟む1時間6分の長考で△3二飛と回りました。細かくポイントを挙げる構想で、左桂のさばきを視野に入れていたようです。
里見女流名人は2図からバサッと△4六飛と飛車を切って▲同金に△3七銀と飛車金の両取りを掛けました。結果、里見女流名人が飛車と金銀の2枚換えに。
3図は▲9五歩の反撃に△8五桂とさらに厳しく先手陣に迫ります。控室では振り飛車が優位を築いたといわれています。
(琵琶)
岡田美術館にはチョコレートブランド「Okada Museum Chocolate」があります。チョコレートの表面に名作の絵画が書かれ、1粒ずつ異なる風味が楽しめる逸品です。まさに食べる美術品といえます。岡田美術館ミュージアムショップで販売しています。また、開館5周年を記念した新作も披露されました。
(上段から順に『若冲・孔雀鳳凰』、『光琳・菊』、『雪佳・燕子花』)
(岡田美術館の大壁画『風・刻』。夕方になるとライトアップされる)
(試食タイム。自然と笑顔がこぼれる。感想は下記をご覧ください)
クリームチーズ×バニラ×レモンを試食した清水女流六段は「とてもさわやかな味わいで、今までにない感覚のチョコレートです」と堪能しました。
鈴木女流二段は宇治抹茶×黒豆を食し「香り高いビターチョコレートに抹茶と黒豆の深みが加わり、上品な味わいでした」とにっこり。
マスカルポーネチーズ×コーヒーを選んだ山口恵女流二段は「コーヒー豆が入っているのだと思いますが、その食感がよかったです。チーズクリームがコーヒー風味にマッチしていてよかったです」と感想を語りました。
なお、日本橋三越本店「スイーツコレクション2019」に5年連続で出店しており、1月30日(水)から2月14日(木)まで開催されます。年に1度、岡田美術館チョコレートが都内で買える貴重な機会です。通信販売も行っています。
【ミュージアムショップ|岡田美術館】
https://www.okada-museum.com/facilities/shop/
【日本橋三越本店「スイーツコレクション2019」出店のお知らせ】
https://www.okada-museum.com/information/archives/78.html
【岡田美術館チョコレート|三越オンラインストア】
https://mitsukoshi.mistore.jp/onlinestore/brand/080325/list?specialTopicCode=5000083&slPsblCntUmuFlg=0&nvt&rid=609db601618a42988ebca2bd62c28135
(琵琶)