第39期五番勝負第5局 Feed

2013年2月27日 (水)

大盤解説会場へ

終局後、大盤解説会場に移動して感想戦が行われました。

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どうもお疲れさまでした。
熱戦だったと思いますが、一局を通しての感想をお願いします。

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終始自信がなくて、ずっと押され気味だったと思います。
最後のほうも決められていてもおかしくない局面があって、わからなくなってしまいました。

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すごい将棋でしたね。
上田さんのほうはいかがですか?

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1手違いの将棋で、1手稼がれたら負けの局面がずっと続いていました。
自信のある瞬間と自信のない瞬間が入れ替わっていてちょっとよくわからなかったです。

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全体的に今回の五番勝負はいい将棋が多かったように思います。
全体の感想といまの心境を里見さんからお願いします。

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いろいろな戦型になりましたが、1局1局接戦もあったし差のついた将棋もありました。
自分なりに一生懸命戦えたのではないかと思います。

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では上田さんお願いします。

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開幕する前は自分がどれだけ戦えるかという不安がありました。
2勝2敗というスコアになって、最後は自分らしい将棋を指そうと逆に気が楽になりました。
一番伸び伸びさせたように思います。

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年間で一番いい将棋だったのではないかと思います。
ファンの方にも「男性棋戦よりも面白い!」と言っている方もいらっしゃいました。
これからも両者に活躍してもらって、ファンを魅了してもらえたらと思います。
今日はありがとうございました。

(若葉)

終局後インタビュー(2)

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―― 終盤に1時間くらい詰むや詰まざるやの局面が続きました。

「途中、明確に切らされている局面もあったように思います。1手違いだったので、1手稼がれると負けになる局面が続きました。何度か読みにない手を指されて、何か手があったような気はしますが見つかりませんでした」

―― 序盤はいかがでしたか。

「四間飛車穴熊は愛着のある戦型なので、居飛車にされたら最終局はこれで戦うつもりでした。銀冠は意外でした」

―― 途中リードしている局面もあったのように思いますが。

「そんな気はしていたんですが、2枚の穴熊でそんなに堅くないので具体的にどうよくするかは難しかったです。▲6八角(61手目)の辺りで間違えている気がしますが、具体的にはわかりません」

―― 五番勝負で初めてのフルセットになりましたが、5局を振り返っていかがですか。

「非常に濃密な時間を過ごさせていただいたと思います。これが生きるかどうかはこれから次第だと思いますので、生かせるようにがんばりたいです」

―― 里見女流名人とこの舞台で戦って感じたことはありますか?

「なかなか対戦することが少ないので、開幕前に自分をどれくらい高めることができるかわからなかったですし、これだけ大きな舞台で指せたのは自分にとって大きなことでした」

―― マイナビ女子オープンの防衛戦も控えています。今後の抱負をお願いします。

「あと1ヶ月ちょっとでそんなに時間はありませんが、気持ちを切り換えてがんばりたいと思います」

(若葉)

終局後インタビュー(1)

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―― 最初に勝ちを意識したのはどの辺りですか?

「▲6三角(111手目)と打って、そこでやれるかと思いました。本譜の順なら勝ちかなと思いました」

―― そこまで形勢がかなり二転三転していたように見えましたが?

「そうですね、決められてもおかしくない局面があったので自信はなかったですが、はっきりした負けが見えていたわけでもなかったので、逆に幸いしたのかなと思います。

―― △6九銀(86手目)の局面は?

なんとかしのげるんじゃないかと思っていました。

―― 本局全体を振り返ってください。居飛車を採用しましたが。

やってみたいと思っていた、ほぼ想定内の形になりましたが、昼食休憩辺りで指し手がちぐはぐしてしまいました。もう少し考えたらよかったと思います。

―― シリーズ全体を振り返っていかがですか。

接戦の将棋も大差の将棋もあったので、1局1局終わった後に感じることがすごく多かったです。対局に向けては自分なりにはしっかり準備できたのではと思います。

―― 収穫はありましたか?

成長したかどうかはわかりませんが、いろんな戦型もあったし、よかったところも悪かったところも見えたので、そういうところはよかったと思います。

―― 4連覇は史上3人目の偉業です。

とりあえず無事終えられたことをほっとしています。光栄な記録に並ぶことができて嬉しく思います。

―― 今後の抱負をお願いします。

いまは一日一日を大事にしてがんばっていくだけです。

(若葉)

感想戦(2)

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(4連覇を達成した里見女流名人。女流名人位戦4連覇は3人目で、山下カズ子女流五段に並ぶ記録である)

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(敗れた上田女王。自身初のタイトル二冠はならなかった)

(若葉)

感想戦(1)

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(若葉)

終局直後

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終局後、両対局者は主催紙のインタビューを受けました。
現在は感想戦が行われています。

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(インタビューに答える里見香奈女流名人)

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(上田女王。表情には充実感と悔しさが入り混じっている)

(若葉)

里見女流名人が勝ち防衛

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図の局面で上田女王が投了しました。終了時刻は16時51分。消費時間は▲里見2時間50分、△上田2時間59分。勝った里見香奈女流名人は3勝2敗でタイトルを防衛。4連覇達成と共に女流四冠の座を死守しました。 (潤)

最終盤

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いよいよ最終盤です。

後手玉は詰めろがかかっていて受けのない形。
焦点は先手玉に詰みがあるかどうかです。
△8四桂の王手に里見女流名人はすぐに▲同金と取りました。
勝ちを読み切ったのでしょうか。

(若葉)

大盤解説(3)

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大盤解説会でも終盤の検討が大詰めを迎えていました。
検討されていたのは上図の局面です。


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「ここで後手は選択肢が3通りくらいしかありません。
7七に打つ手はほぼないので、駒を打つとしたら7九か6八ですね。
△7九銀は▲7七銀打△同角成▲同桂で詰みはありません。
▲7一とや、▲8九金と受けられてもつらそうです」

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「後手は飛金金銀と持っていて角が急所に利いているのに詰まないんですね。
普通は勝ちの要素しかみえない局面なんですが……」


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「△6八金が詰めろにならないのが大きいですね
(△8八金は▲同金△同角成▲同玉△7九銀▲8七玉△8八金▲9六玉以下詰まない)。
9六を突いていないのが光輝いています」


(若葉)

棋士室

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棋士室に入ると人だかりができていました。
中心にあるのは本局の継ぎ盤。
終盤戦ということで、熱のこもった検討が行われています。

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写真が並んでいた局面。
本譜85手目▲7八同飛に、△8七竜▲同玉△6七銀▲7一と△7八銀▲同玉と一直線に進めた変化です。
この局面で先手玉に詰みがあるかどうか調べられましたが、現在は「詰みなし」が結論のようです。
「俺やったら諦めきれへんけどなあ」とは山崎隆之七段。
いかにも詰みそうな形をしているので詰み筋を探してしまいそうですが、
上部に抜けるルートがあり追い切れないとのことでした。

△6七銀が詰めろでないなら、後手は別の寄せを探す必要があります。
後手の穴熊は遠いですが受けは難しい形です。
「と金の攻めなので、後手は受けてもぼろぼろにされて負けそうですよね」(糸谷哲郎六段)

(若葉)

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