第38期五番勝負第2局 Feed

2012年1月22日 (日)

感想戦、その後

感想戦が終了したのは18時頃。清水女流六段、関係者らが次々に退室していくが、里見女流名人は席を立たない。じっと盤を見つめている。最後に記録係の坂井三段も席を立とうとしたとき、里見女流名人がぽつりと話しかけた。そのまま序盤の検討が始まる。口頭で行われた検討は、しばらくの間続いていた。

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感想戦

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解説会場へ

インタビューを終えた両対局者は、ファンの待つ解説会場へ。佐藤七段の質問に答える形で、簡単に一局を振り返った。

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里見 最初はうまくいったかなと思ったんですが、読んでるうちに大変だなと感じました。
清水 苦しいなら出ていく、五分ならじっとするところだったと思うんですけれども、力戦形なのでその辺りの判断が難しかったですね。

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20120122_72佐藤 ここで▲6一香成はどうでしたか。
清水 指しきれなかったですね。危なくて。
佐藤 里見さんは香を成られたらどうするつもりでしたか?
里見 (先手玉が)寄ってなかったら仕方ないと思っていました。
清水 本譜は(▲6六銀打に)△5六歩~△5七歩成が詰めろにならないのでなんだろう、と思ったんですけど、5五の銀を抜かれてしまうんですね。

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終局直後

終局後、両対局者にインタビューが行われた。

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―― 戦型として四間飛車を使うかどうかが気になっていなんですが、中飛車を選択されました。
里見 うーん、作戦として決めていたというか、今回は中飛車でいこうと思ったので。変化したとかそういうわけではないです。
―― 第1局に敗れて決めたというよりは、最初から決めていたということでしょうか。
里見 そうですね。
―― 序盤は指しやすいのではないかという声があったんですけども。ご自分ではいかがでしたか。
里見 自分では指しやすいかなと思っていたんですけども、難しくなったのかなと。
―― 中盤から終盤にかけて、清水女流六段のほうがいいという声もあったんですが、その辺りは。
里見 ちょっと苦しくしたかなと思っていました。
―― 終盤はかなり激しくなりました。難しかったと思うのですが。
里見 最初はよかったと思うので、ゆっくりしたほうがいいのかなと思っていたのですが……。途中は悪くなる変化もあったと思います。
―― これで1勝1敗、第3局が大事な対局になってくるかと思うのですが、これに向けての抱負をお願いします。
里見 また改めて作戦を用意して、一生懸命指せたらいいなと思います。

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―― 里見女流名人が中飛車を選択されたときに、1分くらい時間をとって対応されていたかと思うんですけども、この中飛車については。
清水 中飛車だな、と。タイトル戦なのでいちいち驚いていられないですね。
―― 序盤は里見女流名人がいいのではという声があったんですけれども、清水女流六段としてはどのようにとらえていましたか。
清水 乱戦の、手探りの形になったので、形勢判断が難しかったですね。
―― 途中で香を2枚並べたところでは、逆に清水女流六段がよくなったと言われていました。
清水 優勢の局面を引き寄せる手順が見つけられなかったですね。
―― これで星が並んで、大事な第3局になるかと思うんですけれども、それに向けて。
清水 どの対局も一局一局全部大事な対局なので、特にそうは思わないのですが、まだ対局が続くので、これからもしっかり指したいと思います。

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里見女流名人競り勝つ 1勝1敗に

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102手まで里見女流名人が制し、女流名人位戦は1勝1敗となった。終局は16時14分、消費時間は▲清水2時間59分、△里見2時間20分。第3局は2月5日(日)岡山県真庭市「湯原国際観光ホテル 菊之湯」にて行われる。

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最後の勝負

20120122_73清水女流六段の▲6六銀打(図)の受けに対し、里見女流名人は△5六歩で勝負に出た。以下▲5五銀△5七歩成▲6一香成と進み、後手玉は受けが難しい状態に。あとは先手玉が詰むか、もしくは詰めろ逃れの詰めろをかけることができるか、という勝負だ。中継スペースでは「先手が残しているのでは」という意見、「相当際どい」という意見が飛び交っている。

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臨時大盤解説会

大盤解説会の申し込み人数が定員に達したため、急遽用意された臨時の解説会場。こちらにも多くの来場者の姿があった。

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もつれる?

15時20分、谷川九段と甲斐女流王位は記念館内の中継スペースで対局の進行を見守っている。壁にある大きな表は、関根名人の年譜だ。外では午後になりようやく出てきた太陽が傾き始めている。盤上は先手が一直線ではなく迂回する順をとったことで、先ほどの決定的な先手優勢の局面とは異なり、もつれる兆しが見えている。

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記念館の蔵書

関根名人記念館には、多数の将棋関連の蔵書が収められている。これらは閲覧可能で、古い資料は将棋ファンにとってたまらないだろう。古いものばかりでなく、新しい書籍も増えている。最近話題になっている、将棋を題材にした漫画も見つけることができた。

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(対局場近くを流れているのは江戸川。反対側の東には利根川がある)

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先手優勢

20120122_64後手の指し手にやや無理があるのでは? と思われていた局面から進み、里見女流名人は△5六歩(図)と突いた。次の▲6一香成にはどう応じるのだろう? 大盤解説会では、以下△6七歩に▲8五桂(参考図)と進んだ局面を変化の一例として挙げており、「こうなると後手玉に受けがない」と説明されていた。

2参考図では後手玉に▲7一銀からの詰めろがかかっているが、受けても一手一手になりそうだ。しかし実戦の進行を見るに、この局面に合流してもおかしくない。ともかく形勢は先手優勢で間違いないようだ。

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