第40期五番勝負第3局 Feed

2014年2月10日 (月)

湯原小学校訪問

対局翌日、里見香奈女流名人・中村真梨花女流二段をはじめとする棋士一同が湯原小学校を訪ねました。今回で4度目となります。

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(真庭市立湯原小学校。湯原の地は今日も雪が舞っていた)

この訪問のために歓迎の装飾が施された音楽室には、大勢の児童が集まっていました。

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(前列左から里見香奈女流名人、中村真梨花女流二段。後列左から伊藤果七段、東和男七段、伊藤明日香女流初段、室谷由紀女流初段、村田智穂女流二段)

簡単に各棋士の紹介が行われた後、まずは村田智穂女流二段が司会進行役となって両対局者が児童から募集された質問に答えていきます。
児童達は真剣にその言葉に耳を傾けていました。

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(里見香奈女流名人)

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(中村真梨花女流二段)

○将棋を始めたキッカケは何ですか。
里見「子供の頃から父や兄と将棋を指していました。男の子に負けた時は、次は負けたくないという気持ちになりました」
中村「子供の頃からボードゲームが大好きで、その中で将棋も覚えました。負けると悔しいなと特に思えたのが将棋でした」

○将棋の勉強はどうやってしていますか。
里見「苦手と感じる部分を鍛えます。それがうまくいかないときは、一旦得意分野の勉強に移ることもします」
中村「小学4年生から将棋センターに通うようになりました。今は主に勉強会で指すことです」

○得意科目や苦手科目はありましたか。
里見「国語は苦手で、歴史みたいな暗記が必要な科目は得意でした」
中村「本を読むのがすごく好きでした。苦手な科目は真ん中ぐらいの成績だったと思います」

○将棋で諦めかけたことはありますか。
里見「あるけど、やっぱり将棋が大好きなので諦めずに進んでます。大一番で負けた時とか、周りに支えていただいているという感謝の気持ちを思い出します。あと、友達と遊ぶなどしてリフレッシュもします」
中村「中学時代に2年間ぐらいなかなか勝てない時期がありました。でも将棋が好きなので続けてこられました」

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【児童へのエール】
里見「興味を持ったことにチャレンジしてみてください。人生一度きりなので、楽しいと思える人生を歩んでほしいなと思います」
中村「私は子供の頃に将棋をお仕事にしたいと考えました。でも中学時代によく負けてしまう時期もありました。こういうとき、どういう気持ちで夢を目指していたかを再確認するのが大事です」

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(校庭は真っ白)

次は4度目の訪問にして初となる「将棋体験教室」です。

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(児童8名が代表して直接手ほどきを受け、他の児童は大盤を見ながら話を聞く。今回参加した4~6年生のほぼ全員が駒の動かし方を知っている)

ここからは伊藤明日香女流初段・室谷由紀女流初段、そして伊藤果七段・東和男七段も加わります。
駒の正しい並べ方、挨拶の仕方、駒の片付け方の3つをテーマに授業が行われました。

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(王と玉の違いは知っていますか?)

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(児童に手ほどきする里見女流名人)

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(女の子とことばを交わす中村女流二段)

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(駒の並べ方を教えてもらう)

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(伊藤七段が登場。『伊藤先生』が教えてくれるのはもちろん……)

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(『伊藤流』でした)

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(みんなで「よろしくお願いします」「負けました」「ありがとうございました」)

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(駒を数えながら片づける)

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(3×6=18)

最後に小学校への記念品の贈呈、棋士達への花束の贈呈、そしてみんなで記念撮影をして小学校をあとにしました。

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(里見女流名人から記念品の贈呈)

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(花束贈呈)

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(他の棋士には、4年生全員で折った折り紙の花束がプレゼントされた)

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(折り紙の花束)

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(児童代表のお礼のあいさつ)

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(湯原小学校の皆さん、ありがとうございました!)

なお、本記事における児童の写真掲載については小学校のご了承をいただいております。

(レポート:虹、写真:翔)

2014年2月 9日 (日)

里見香奈女流名人記者会見

感想戦終了後、里見香奈女流名人の記者会見が行われました。

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--この5年間、成長した部分はどういった部分でしょうか。また、それでも足りないという部分はありますか。
「何がというのはないですが、いろいろなことにチャレンジしていった分、成長できたということでしょうか」

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--湯原温泉で4勝ですが、相性がいいのでしょうか。
「地元の方、お世話になっている方が足を運んでくださっているので、その分一生懸命頑張ろうという意識が強くなっているのかなと思います」

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--5連覇は過去に例が少ないですが、連覇をどれくらい伸ばすかという期待もあります。
「実力的にも不安定なので、修正できる部分は力を入れて修正していきたいです」

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--三段リーグや近く開幕するマイナビ女子オープンの防衛戦に向けて。
「気が緩む時がないので、ずっと気を引き締めて、その中でもリラックスする時間を作ろうとはしています」

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--女流名人位を獲得するのが女流棋士になったときの目標だったと思いますが、5連覇でクイーン称号を獲得することまでは想像できましたか。
「全くなかったです。当時は高校を卒業するまでに女流名人位という思いはありましたが、そのときよりも意識が高くなっているのかなと思います」

--2つ目のクイーン称号は早いペースです。
「あまり意識してこなかったことなのですが、ほっとしています。女流名人位は女流棋士になってからとりたかったタイトルですが、時間が過ぎるのが早いので後悔しないように過ごしたいです」

--来年は史上初の6連覇に挑みます。また、三段リーグ、女流棋戦に向けて意気込みを。
「小さい目標をそのときどきに立てて、悔いの残らないようにやっていくだけです」

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(女流名人位5連覇を記念して金メダル5つを手にして撮影)

(翔)

感想戦

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(里見香奈女流名人)

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(菅井竜也五段=右奥=、香川愛生女流王将=手前=らが感想戦を聞いていた)

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(感想戦は30分ほど行われた)

(翔)

大盤解説会へ出演

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(両対局者が大盤解説会に出演した)

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(香川愛生女流王将)

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(里見香奈女流名人と中村真梨花女流二段)

(翔)

終局直後

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(終局直後。大勢の報道陣が詰めかけている)

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里見香奈女流名人コメント

作戦負けにしてしまいましたが、△7六歩(92手目)と打ったあたりから盛り返したのかなと思います。玉は堅いですが偏っていたので自信はなかったです。湯原温泉という小さい頃からお世話になっている方、岡山でお世話になっている方々がいらっしゃる場所で結果を残すことができてうれしいです。

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中村真梨花女流二段コメント

序盤は駆け引きがあって対抗形になりましたが、捌き合いになると相手のほうが堅いので、自分から動きづらかったです。▲5九角(93手目)と引いたあたりから苦しく感じていました。また名人位リーグを戦わせていただくので、こういう舞台に戻って来られるように頑張ります。

(翔)

里見香奈女流名人5連覇、クイーン名人資格

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ユニバーサル杯第40期女流名人位戦五番勝負第3局は160手までで里見香奈女流名人の勝ちとなりました。終局時刻は17時5分。消費時間は▲中村2時間59分、△里見2時間38分(持ち時間各3時間)。五番勝負は里見女流名人の3連勝で防衛(5連覇)が決まりました。
里見女流名人は女流名人位通算5期獲得により、クイーン名人の資格を得ることになりました。クイーン名人は中井広恵・現女流六段、清水市代・現女流六段に続いて3人目。21歳11ヶ月の史上最年少クイーン名人です。

(翔)

16時頃の控室

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(控室では菅井竜也五段が検討している)

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(窓の外は雪)

(翔)

後手優勢

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上図は銀交換をしたところです。駒が捌け、角の働きの差もあって後手が優勢と見られています。

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ついつい攻めてしまいそうな局面ですが、里見女流名人は5二の歩を突いて▲5三飛成を防ぎました。万全の体制で終盤に向かいます。

(翔)

対局者の気持ち

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(15時半、大盤解説会は休憩。会場後方では、対局者のおやつと同じデザートが販売されていた)

(翔)

15時頃の大盤解説会

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(控室では菅井竜也五段、東和男七段らが検討している。菅井五段はこのあと大盤解説会にゲスト出演予定)

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(その頃、大盤解説会場では次の一手の当選者が発表されていた)

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(当選者に賞品を渡す谷川治恵女流五段)

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(谷川女流五段が、対局者の印象を語る)

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(解説会再開。香川愛生女流王将、解説者から聞き手に)

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(ゲスト出演する伊藤果七段)

(翔)

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