第36期五番勝負第3局 Feed

2010年2月10日 (水)

本日の棋譜

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(「131手にて里見倉敷藤花の勝ち」。新女流名人誕生、歴史に残る棋譜になるだろう)

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記者会見

Imgp2624 午後6時、東京・将棋会館2Fにて里見新女流名人の記者会見が行われた。

里見新女流名人は報道記者の質問に答え、「これからは将棋一本で行く。地元でがんばることになると思う。女流名人にふさわしい人になれるよう努力したい」と語った。

師匠である森けい二九段は、「今日は将棋を見ていて、悪くなったとき『これを負けたら三連敗するんじゃないか』と心配した。里見さんは形勢が悪くなったときに勝負手が指せるのが強いところ」と、弟子のタイトル獲得に終始うれしそうな様子で語っていた。

米長邦雄会長は「里見新女流名人は将棋界にとって喜ばしいニュース」と里見新女流名人を祝福。「第一人者である清水市代、そして矢内理絵子女王とともに将棋界を盛り上げてほしい」と新たなスターに期待を寄せていた。

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(質問に答える里見新女流名人)

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(里見新女流名人の師匠、森九段)

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(里見新女流名人の誕生を祝福する米長会長)

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感想戦

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< 清水市代女流名人のコメント >

「▲6四歩(79手目)で、△6二飛とぶつけにくくなってしまい、失敗した。また、△3五桂をもっと早く打つべきでした」

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< 里見香奈新女流名人のコメント >

「▲2四歩(75手目)と取り込んで少し指しやすくなったと感じた。勝ちを意識したのは、▲6三竜(121手目)のとき。自玉に詰みがないことがわかって、勝ちになったと思った」

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(感想戦の光景)

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解説会場へ

里見新女流名人は、終局後インタビューに答え、すぐに来場者が待つ解説会場へと向かった。

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(インタビューに答える里見新女流名人)

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(終局直後の盤面)

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(解説会場の様子)

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里見新女流名人誕生

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図の局面で清水女流名人が投了を告げ、里見倉敷藤花の勝ちとなった。終局時刻は午後5時ちょうど。これで今シリーズを里見倉敷藤花が3-0で制し、里見新女流名人が誕生した。

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(終局直後の両対局者)

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(新女流名人誕生という歴史的な瞬間に、多くの報道陣が対局室に)

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(里見新女流名人、終局直後はやや疲れた表情を見せた)

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先手、勝勢

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図は清水女流名人が△1五金!と歩頭に出た局面。後手の勝負手だ。▲同歩は△同角で後手の角が働いてくる。そこで里見倉敷藤花は図から▲2七玉。以下△2六歩▲2八玉△1六金と進んで下図。

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今度は里見倉敷藤花が攻める番だ。図から▲3四桂△2三玉▲2四銀△同角▲同歩△1三玉で下図。

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ここで後手玉に詰みがあるのか? 詰まないのであれば▲3五角(次に▲2五桂の一手詰の狙い)が決め手になる。 控え室でも検討が打ち切られた。どうやら終局が近づいてきたようだ。

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玉頭勝負に

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図は里見倉敷藤花が2九の桂を1七に跳ねた局面。とにかく駒を使って玉頭に勢力を集めようというのだ。後手は金銀四枚の堅陣、先手は自玉頭から攻めるだけに、上を手厚くしておくに越したことはない。周到な一手。

消費時間は▲里見倉敷藤花、2時間39分。△清水市代女流名人、2時間52分。持ち時間が切迫した状況で、焦点は玉頭の勢力争いに絞られそうだ。

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午後4時の局面

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午後4時の局面。後手の清水女流名人は先手玉の守り駒をはがして肉薄する。しかし飛角が参加していない攻めなので、先手玉を寄せるまでには至らない。しばらく先手に攻められるのは仕方ないので、後の反撃を狙っているのだろう。

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(午後4時過ぎの控え室。先崎学八段も来室し、いっそう賑やかに)

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(矢内女王と盤を挟んで検討する先崎八段)

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飯島六段、矢内女王、来室

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(モニタを見つめる飯島栄治六段)

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(本田女流二段、斎田女流四段と談笑する矢内理絵子女王)

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勝負所

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先手は駒損ながら玉頭に拠点を作り、一方的に飛車を成りこんでいる。里見倉敷藤花ペースと思われる局面。清水女流名人は玉頭の攻めを緩和するべく△3五桂と打って対抗。先手の攻めをうまくしのぐことができれば、駒得が生きる展開になる。ここ数手が勝負所となりそうだ。

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