【上田女流三段の談話】
――序盤、端から果敢に攻めていかれましたが予定だったのでしょうか。
「いえ、予定ではなかったです。やってこいという形だったのでいってみたのですけど、よくわからなかったです。▲4八玉(7手目)だったので、角交換から△4五角をやってみたくなったんですけど。端が生きる展開になりやすいかなと思いまして」
――中盤はいかがですか。
「香得なのですが竜を作られて。香を走るところ(28手目)は、ちょっとよくわからなかったです。走った瞬間は怖かったですね」
――駒得を拡大して形成を引き寄せたように見えましたが、どのあたりから指しやすさを感じましたか。
「自玉が安全になって、攻めの手番が回ってきたところで少しペースが来たかなと主追いましたが、間違えたらすぐにひっくり返される局面なので、最後までわからなかったです」
――1局目に続いて果敢に攻める将棋で、テーマに掲げられてる引かずに戦う、というところを盤上に表現されているように見えましたが、ご自信としてはいかがでしょうか。
「そうですね、自分が読んだ手をしっかりさせている部分はいいのかなと思います」
――連勝して、次はタイトル奪取の懸かる勝負になります。第3局に向けての抱負をお願いいたします。
「そうですね、あまり意識せず自然体で自分の読みを信じて指したいなと思います」
【里見女流名人の談話】
――序盤の▲4八玉を選択されて激しい展開になりましたが、局面をどう見ていましたか。
「難しくてよくわからなかったですが、力戦になるので、しっかり読んで指そうかなと思っていました」
――形勢を損ねたというのは、どのあたりになるのでしょうか。
「昼食休憩(25手目)のときには、ちょっと自信がなくて。そのあと▲8一竜(35手目)と潜ったあたりでは、そんなに悪くないかと思っていたので……。△7六桂を打たせる展開ではなくて、しっかり受けに回る展開にしたほうがよかったかもしれません」
――残念な結果になりましたが、地元で応援を受けていかがでしたか。
「(第2局については)終わったことなので、今日をしっかり反省して、また明日からは地元の方の声をはげみにして頑張りたいと思います」
(八雲)
図は16時15分頃の局面。
挟撃形を作れない先手は、▲6六金と自陣に打って粘りを見せました。後手としても、ここで粘られるのは避けたいところ。決め手を放てるかどうか。勝負はいよいよ大詰めを迎えています。
図は15時20分頃の局面。
大盤解説の合間に控室に戻ってきた畠山鎮七段は「後手優勢」とはっきり評しています。Twitter解説の石田四段も少し前から後手有利と評価。ただ、後手玉も危険な形をしているため、予断は許しません。上田女流三段がこのまま決められるかどうか。勝負は佳境に入っています。
(八雲)
対局が行われている出雲文化伝承館は、出雲地方の伝統や歴史、文化などを伝える場として1991年に開館しました。
敷地内には、お抹茶とお菓子を楽しめる数寄屋造りの茶室「松籟亭(しょうらいてい)」や、美術工芸品を展示する展示室、出雲市指定文化財の出雲屋敷(旧江角邸)と出雲流庭園、千利休が建立し、松江藩七代藩主・松平治郷(不昧公)によって伝えられた茶室「独楽庵(どくらくあん)」(復元)、出雲地方の伝統工芸を紹介し、陶芸体験もできる「出雲文化工房」などの施設があり、出雲地方を奥深く探求することができます。
図は14時40分頃の局面。
駒損の先手が攻めていますが、続くかどうか難しいところ。控室では先手が忙しい展開で、自信がないと見られています。△5四香までの消費時間は▲里見1時間53分、△上田2時間22分。
(八雲)