カテゴリ

« 2025年9月 | メイン

2025年10月

2025年10月 7日 (火)

感想戦

20251007a7307647

20251007a7307656

20251007a7307697

20251007a7307670

20251007a7307641


第4局のブログ更新は以上です。ご観戦ありがとうございました。

(玉響)


大盤解説会場に

インタビュー後に両対局者は大盤解説会場へ向かい、ファンの前で感想を述べました。

20251007a7307618

20251007a7307620

20251007a7307631


(玉響)

終局直後

20251007a7307577(終局直後はインタビューが行われた)

20251007a7307596【藤井王座の談話】
――前例のない戦いだったが、午前中の進行については。
藤井 △4四角(10手目)の形が非常に難しくて、それをどのように判断するのか難しいと感じていました。昼食休憩のところ(45手目)は▲1五歩と仕掛ける感じなのかと思いましたが、飛車を引かれてから△1七歩と打たれると、角の利きが強くて、それ以上、攻めがない気がしました。本譜は後手に主張を通されてしまったと感じていました。


――夕食休憩の辺りの中盤戦については。
藤井 動いていったんですけど、無理気味で。歩を交換されているので、何か動いていかざるを得ないと感じていました。こちらの玉が薄いので、自信が持てない展開だったのかなと。


――一進一退の攻防が続いたが、形勢がよくなったと思われたところは。
藤井 ▲7三角成(89手目)から▲7七同玉で、自玉が寄らなければ駒得で楽しみが多い展開になったかなと感じていました。


――最後、勝ちになったと思われたのは。
藤井 ▲4四桂(95手目)と打って、何か駒を抜かれる筋がなければ、と思っていました。


――シリーズは2勝2敗のタイになった。第5局に向けての抱負は。
藤井 少し期間が空く形になるので、少しでも実力を高めて、第5局を迎えられるようにしたいと思います。

20251007a7307610【伊藤叡王の談話】
――序盤で新工夫(10手目△4四角)が見られた。
伊藤 やってみようかなと思っていたんですけど、本譜のように角道を止められたあと、4五の位を取られる展開になりやすいのかなと思っていました。


――ジリジリとした中盤戦になった。
伊藤 途中は危険そうな局面もあるかなと思っていましたが、7筋と8筋で歩を2枚、切れた辺り(52手目△8六同飛)は、後手番としては存分に戦える気もしていました。中盤以降は非常に難しい将棋でした。


――苦戦を意識したところは。
伊藤 ▲2八角(71手目)と引かれる手を軽視していて、そこからの数手で急に差が開いてしまったかなという感じがしたので、その辺りで何かなかったかなと。


――第5局に向けて。
伊藤 本局はもう少し難しい戦いを続けたかったので、(第5局では)夕食休憩以降も、しっかりと読みを入れて指す必要があると感じました。


(玉響)

藤井王座が勝って決着は最終局へ

20251007c

第4局は99手で藤井王座が勝ちました。終局時刻は20時3分。消費時間は▲藤井4時間37分、△伊藤5時間0分。藤井王座が勝って2勝2敗とし、決着は最終局に持ち越されました。第5局は10月28日(火)に山梨県甲府市「常磐ホテル」で行われます。

(琵琶)

先手が優位を拡大

20251007_91局面は終盤戦。藤井王座が着実に優位を広げています。後手は戦力が不足しており、自玉も薄い格好です。先手玉は不安定なようでも上部が広く、捉えどころがありません。

20251007a7307445(藤井王座)

先手よしの評判

20251007_70第1図で▲2八角が浮かびづらい引き場所でした。2九飛の威力が半減しますが、代えて▲3七角だと△2五歩と桂を外されたあとに△3三桂~△4五桂で角を狙われるデメリットがあります。


実戦は▲2八角以下△2五歩▲5五歩△4五銀▲6三歩成(第2図)と進行しました。控室の検討では「先手よし」と見られていた局面で、伊藤叡王の決断に意外な声が上がっています。というのも、上記の△4五銀では△6五銀や△5七歩といった選択肢があったからです。

20251007_75_2

20251007a7307566(17時30分頃の陣屋の庭園。薄暮になると、かがり火が灯される)


(玉響)

夕食休憩

20251007_6417時、図の局面で夕食休憩に入りました。メニューは藤井王座が「天麩羅そば・冷、温かいお茶」、伊藤叡王が「天麩羅そば・冷、アイスティー」です。対局は17時30分に再開されます。

20251007a7307548(藤井王座のメニュー)

20251007a7307553(伊藤叡王のメニュー)


(玉響)

16時30分頃の控室

20251007a7307535(16時30分頃の検討の様子。写真左はアマ強豪の金子タカシさん。『将棋世界』12月号で本局のレポートを担当する)

20251007a7307539_2(中村修九段)

20251007a7307532(飯塚八段)

20251007a7307544(勝又七段)


(玉響)

陣屋の庭園

陣屋の敷地内に一歩足を踏み入れると、そこには四季折々の自然に囲まれた一万坪の庭園が広がっています。入り口から少し進んだ右手には、トトロの木(クスノキ)」がそびえ立ちます。これはアニメーション映画の『となりのトトロ』のモチーフになった木とされています。監督の宮崎駿氏は陣屋経営者と親族の関係にあり、同氏は幼少時代に陣屋で過ごしていた時期があります。

20251007a7307386

20251007a7307385 (クスノキ)

20251007a7307570(レストラン「賑わい亭」の入り口には宮崎監督のサイン色紙が置かれている)

20251007a7307373 (陣屋の始まりは鎌倉時代。温泉地に加えて弓矢の材料となる良質な竹が多く自生していることから、源頼朝の家臣で弓の名手といわれた和田義盛公がこの地に陣屋を構えたとされる)

20251007a7307382(フヨウの花が見頃を迎えていた)


(玉響)

飛車の捕獲が狙い

20251007a16時となり、図の局面を迎えています。藤井王座が▲1五歩と突いたところです。△1五同歩は▲1二歩△同香▲1三歩△同香に▲2五桂と跳ねて香を取りにいき、△2二銀には▲1三桂成△同桂に▲8七香(参考図)と打って飛車を取る狙いがあります。しかし、先手としても飛車先が素通しのため、怖い筋があります。△8七歩が手筋ですが、▲8九飛と回って迎撃する方針かもしれません。取材で現地を訪れている勝又清和七段は「形勢は難しいところだと思います」と話しています。

20251007b

(琵琶)

=== Copyright (C) 2009 >>> The Sankei Shimbun & Japan Shogi Association === All Rights Reserved. ===