前夜祭(6)
(北尾女流二段が司会を務めた。まずはシンガポールの魅力から尋ねた)
「料理が美味しくて、景色がきれいです。少し暑いイメージもありましたけど、いまは日本のほうが暑いですね。曇っていたからかもしれませんが、昨日はこちらのほうが過ごしやすく感じました」
「佐藤さんの話を聞いていて思い出したんですけど、32年前に佐藤さんは(竜王戦の)挑戦者でシンガポールにこられていると思うんですけど、確かわたしが挑戦者決定戦に負けてこれなかったんですよね。32年越しで夢が叶いました」
「私は大学生の時に一度、シンガポールに来ています。今日はマクスウェル・フードセンターのチキンライスを食べました。日本でも食べるくらい好きなので、本場の味を食べられてうれしかったです」
「今年の5月末に日本大使館並びにジャパンクリエイティブセンターで、プレイベントを兼ねて皆さんに将棋を広めるという形でこさせていただきました。現地の方は熱心で深く触れ合うことができました」
「わたしは初海外なので不安が多かったですが、初海外がシンガポールでよかったと思いました。こちらは日本よりも快適で、(常夏のため)部屋が寒いことがおもてなしだと聞きました。とても快適に過ごしております」
「今日はひとりでユニバーサル・シンガポールにいってきました。高校生のときにいったのが忘れられなくて、今回足を運びました。とても楽しかったです」
2つ目の問いは「明日の対局について」です。一部をご紹介します。
齊藤優四段「お二人ともシンガポールを心から楽しまれている様子で、精神的な面では抜群なのかなと感じております」
中村太八段「将棋界を作っているおふたり。中終盤の考え方には違いがあるとはいえ(藤井王座が)唯一、タイトル戦で敗れた相手が伊藤叡王。藤井王座としては絶対に負けたくない王座戦という思いが出ると思います」
野月八段「どういう視点で観戦記を書こうか、毎回迷います。まずはどちらが先手を引くのかが大きな見どころです。そして、駒がぶつかったあと、いくつか選択肢があるのですが、どうしてその手を選んだのかということが面白さでもあります。大盤解説会では、私の兄弟子でもある森内九段にわかりやすく解説していただければと思います」
森内九段「将棋界のナンバー1とナンバー2の対戦ということで、普段から頻繁に見たいカードですが、なかなか実現しません。今回ようやく実現したので楽しみにしているファンの方も多いと思います。戦型予想ですが、まだ明日の先後が決まっておらず予想が難しいです。ただ、将棋界のなかでもホットなテーマで、両者の得意戦法でもある角換わり腰掛け銀になるのではないでしょうか」
(続けて行われたのは、お楽しみ抽選会。両対局者だけではなく、現地入りしたプロの色紙がプレゼントされた)
(中締めは、佐竹康峰・公益社団法人日本将棋連盟常務理事が務めた。30年以上にシンガポールに赴任していたという)
本日の更新は以上で終了です。明日の対局開始は9時(日本時間は10時)になります。どうぞお楽しみに。
(紋蛇、書き起こし=武蔵)