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2024年9月 4日 (水)

観戦記をひもとく

王座戦がタイトル戦に昇格したのは1983年のこと。陣屋ではそれ以前にも王座戦の対局が行われています。昔の観戦記は日本経済新聞の夕刊に掲載されていました。陣屋で行われた対局の観戦記をいくつか、ひもといてみます(棋士の肩書は対局当時)。

1963年7月12日に行われた加藤一二三八段-芹沢博文八段戦の観戦記には、「最近は振り飛車ブームで居飛車党から振り飛車党へ転向する棋士がかなり多い。この点、ふたりはともに純粋の居飛車党」という記述があります。今日、東京で大盤解説を担当している佐藤天彦九段は居飛車党から振り飛車党に転向した代表的な棋士。歴史は繰り返す、といいたくなるような状況です。

1964年7月6日に行われた大山康晴名人-丸田祐三八段戦の観戦記は、最終譜に「むかしから"攻めつぶす"ということばはあっても"受けつぶす"ということばはなかった。"受けつぶす"が将棋界で新語として使われるようになったのは、大山将棋が出現してからである」とあり、今日では普通に使われている言葉についての発見があります。

大山-丸田戦は第1期、第8期、第14期で優勝を争ったカード。陣屋には2人の対局写真が飾られています。

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(文)

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