終局直後
◆永瀬王座の談話
――千日手局と指し直し局を、それぞれ振り返っていただけますか。
永瀬 千日手局は▲4一馬(93手目)とされたときの認識が甘くて、何を指していいか分かりませんでした。本譜の△1九金は危険な手かなと思っていましたが、代わる手がまったく浮かばなかったので。▲4一馬に対する認識が甘かったのは準備不足だったと思います。
――そうしますと、千日手に持ち込めたことは満足でしたか。
永瀬 こちらとしては仕方ないという感じではありました。先手からは手段が多いというか、何を指されても大変で、自信がないかなと思っていました。
――指し直し局はいかがでしたか。
永瀬 △3四角(48手目)と強い手で切り返されて、こちらが居玉ですので、自信のない展開にしてしまったのかなと思っていました。
――よくなったと思われたのはどの辺りですか。
永瀬 △6二銀(86手目)に▲4一飛成で切り返せているのであれば、指せているのではないかと思いました。
◆豊島九段の談話
――まずは千日手局から振り返ってください。
豊島 △1九金(94手目)のあと、打開したかったんですけど、自信のある手順が分かりませんでした。際どいことは際どいと思ったのですが。
――指し直し局についてはいかがですか。
豊島 序盤は作戦負けで、△3五歩(36手目)に▲2四歩と打たれたあとの数手で何かあったかどうかですね。飛車の取り合いになって、はっきりまずいので。でも、もしかしたらどうやってもまずいのかもしれません。
(睡蓮)