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2022年9月

2022年9月13日 (火)

終局直後

Dsc_52251(終局直後の対局室。まずは主催紙からのインタビュー)

Dsc_52321 (永瀬王座)

◆永瀬王座の談話

――千日手局と指し直し局を、それぞれ振り返っていただけますか。

永瀬 千日手局は▲4一馬(93手目)とされたときの認識が甘くて、何を指していいか分かりませんでした。本譜の△1九金は危険な手かなと思っていましたが、代わる手がまったく浮かばなかったので。▲4一馬に対する認識が甘かったのは準備不足だったと思います。

――そうしますと、千日手に持ち込めたことは満足でしたか。

永瀬 こちらとしては仕方ないという感じではありました。先手からは手段が多いというか、何を指されても大変で、自信がないかなと思っていました。

――指し直し局はいかがでしたか。

永瀬 △3四角(48手目)と強い手で切り返されて、こちらが居玉ですので、自信のない展開にしてしまったのかなと思っていました。

――よくなったと思われたのはどの辺りですか。

永瀬 △6二銀(86手目)に▲4一飛成で切り返せているのであれば、指せているのではないかと思いました。

Dsc_52491 (豊島九段)

◆豊島九段の談話

――まずは千日手局から振り返ってください。

豊島 △1九金(94手目)のあと、打開したかったんですけど、自信のある手順が分かりませんでした。際どいことは際どいと思ったのですが。

――指し直し局についてはいかがですか。

豊島 序盤は作戦負けで、△3五歩(36手目)に▲2四歩と打たれたあとの数手で何かあったかどうかですね。飛車の取り合いになって、はっきりまずいので。でも、もしかしたらどうやってもまずいのかもしれません。

(睡蓮)

永瀬王座が勝ってタイに

Photo_2

第70期王座戦五番勝負第2局(千日手指し直し局)は、105手で永瀬王座が勝ちました。終局時刻は22時20分。消費時間は▲永瀬王座4時間36分、△豊島九段5時間0分(チェスクロック使用)。この結果、五番勝負は1勝1敗。第3局は9月27日(火)に京都府京都市「ウェスティン都ホテル京都」で行われます。

(夏芽)

決めに出る永瀬王座

20220913r

永瀬王座がうまく相手玉そばに竜を入り込み、決めに出ています。図の▲1六歩は▲3四金以下の詰めろで、△1六同竜なら▲3四歩が間に合ってきます。終局が近いのかもしれません。

Dsc_51961 (永瀬王座)

(睡蓮)

豊島九段が秒読みに

20220913q21時55分、豊島九段が持ち時間を使いきり、秒読みに入りました。永瀬王座のほうは、40分弱を残しています。図の△6二銀は、先手の馬の位置を変えて何とか△3七とを実現させようという手。福崎九段からは「執念の銀やな」という声が出ました。

Dsc_49931 (豊島九段)

(睡蓮)

永瀬王座よし

20220913p

21時40分を過ぎました。先に相手玉を薄めた永瀬王座のペースになっているようです。豊島九段のほうは、1二角・2三玉の形が悪いのがつらいところといえます。図の▲2九歩は△3七との厳しさを緩和する受けの手筋で、△1八飛成には▲6三馬がリズムのよい活用になります。

Dsc_51661 (永瀬王座)

(睡蓮)

飛車の取り合い

20220913o_2

図は21時頃の局面です。後手が飛車を取り合う順を選択し、取った飛車を先に相手陣に打ち下ろしています。先手のほうは、▲8一馬~▲6三馬が有力な攻め。△8九飛成とされたときに▲7九歩でひとまず手を稼げそうなのも心強い要素です。果たして読み勝っているのはどちらでしょうか。

Dsc_52011 (豊島九段。残り時間は20分ほどになっている)

(睡蓮)

鋭い角打ち

20220913n

図は20時40分頃の局面です。1手前の△2四銀で先手の飛車が捕まったかに見えましたが、▲7一角が永瀬王座の用意していた一手。対して(1)△8三飛は▲3四飛△同金▲6一角がありますし、(2)△8四飛も▲6二角成と飛車を追いつつ馬を作って先手も戦えそうです。また、(3)△7二飛には▲8五飛△7一飛▲8二飛成と角を取らせて竜を作る順があります。「鋭い角ですね」と、福崎九段は感心した様子。永瀬王座がうまくバランスを保っています。

Dsc_51701 (永瀬王座)

(睡蓮)

中盤戦に入る

20220913m図は20時5分過ぎの局面です。後手が7筋から仕掛けると、先手は2筋の突き捨て~継ぎ歩で反撃。中盤の競り合いに突入しています。△2五歩には、(1)▲2五同飛と(2)▲2五同桂のどちらもありそうなところ。永瀬王座は「うーん」と声を漏らしました。

Dsc_49241 (永瀬王座)

(睡蓮)

戦型は角換わり後手棒銀

20220913l

図は19時35分過ぎの局面。再び角換わりの将棋です。先手が1筋の位を取ると、後手は棒銀で主導権を取りにいきました。

Dsc_52081 (豊島九段。棒銀に命運を託した)

(睡蓮)

指し直し局、対局開始

Dsc_51601 (永瀬王座は開始の10分ほど前に入室)

Dsc_51711 (続いて、豊島九段が戻る)

Dsc_51751

Dsc_51841

Dsc_51891

Dsc_51931

Dsc_52101 (19時13分、改めて礼を交わす)

Dsc_52131 (永瀬王座、初手は▲2六歩)

Dsc_52171 (豊島九段はすぐに△8四歩と応じた)

(睡蓮)

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