図は10時10分頃の局面。永瀬王座が4四に角を打ったところです。次に△8八角成▲同銀△7八金の攻めを狙っており、▲8三角の攻め合いには△7九飛成▲同玉△7二銀▲8二飛に△7一銀の対抗を用意しています。ここまで両者を通じて10分以上の考慮がありませんでしたが、△4四角を見た木村九段は長考に入りました。
40分近く考えた木村九段は、▲6六角と角には角で対抗。井上九段や服部四段も挙げていた予想手で、△6六同角▲同飛の進行は、そこでの後手の有効手が見えづらいとされています。
(フルセットに持ち込むべく、得意の相掛かりを採用した木村九段)
(潤)