中盤の難所を迎える
1図は1月に行われた第70期王将戦七番勝負第2局▲永瀬-△渡辺明王将戦と似た進行になっています(▲4七銀△9四歩の交換が入っている)。以下△7五歩▲7四歩△2三銀▲2五飛(2図)と進みました。
塚田九段は▲永瀬-△渡辺明王将戦を踏まえて「渡辺名人は▲5六角に△2三銀▲2八飛としてから△7五歩と歩を取っていました。本譜は木村さんがあとから△2三銀としたので、永瀬さんは▲2五飛としたのですね。△2四歩なら▲7五飛と味よく歩を取れますから。つまり、△7五歩から△2三銀は手順前後ではないですか、というのが永瀬さんの▲2五飛です。私は少しだけ先手が得をしたように感じます」と解説していました。
2図から△7六歩▲7三歩成△同銀▲8五桂△6四銀▲9三桂成(3図)が実戦の進行です。
先手は桂を取ってから▲8五桂と逃げました。2五飛が追われる格好ですので桂が負担になるのではとの見方もできましたが、△6四銀に▲9三桂成が視野の明るい一着になったかもしれません。▲8三角成を見ながら、△9三同香は▲9二角成と馬を作ることができます。局面は中盤の難所を迎えているといえるでしょう。
(琵琶)